クレーン・デリック運転士の過去問
令和3年（2021年）4月
原動機及び電気に関する知識 問26

答えは(3)です。

解説

1.「コースチングノッチは、制御器の第1ノッチとして設けられ、ブレーキにのみ通電してブレーキを緩めるようになっているノッチである。」は正しいです。

2.「ゼロノッチインターロックは、各制御器のハンドルが停止位置になければ、主電磁接触器を投入できないようにしたものである。」は正しいです。

3.「直接制御は、間接制御に比べ、制御器は小型・軽量であるが、設備費が高い。」は誤りです。

直接制御は、ハンドル操作によってスイッチを直接開閉する仕組みで、間接制御に比べ制御器が大きいですが、設備費が安価となっています。

4.「間接制御では、シーケンサーを使用することにより、様々な自動運転や速度制御が容易に行える。」は正しいです。

5.「巻線形三相誘導電動機の半間接制御は、電流の多い一次側を電磁接触器で間接制御し、電流の比較的少ない二次側を直接制御器で直接制御する方式である。」は正しいです。

選択肢１は正しいです。

ハンドルを第1ノッチにすると、電動機には通電せずブレーキにのみ通電し、ブレーキが緩むことによってクレーンが走行・横行しますが、この第1ノッチをコースチングノッチと呼びます。

選択肢２は正しいです。

ゼロノッチインターロックはオフインターロックとも呼び、急な停電とその復旧によりクレーンが誤動作を起こさないように、各制御器のハンドルが停止位置になければ主電磁接触器を投入できないようにした安全装置です。

選択肢３は誤りです。

直接制御は、ハンドル操作によってスイッチを開閉する仕組みで、間接制御に比べ制御器が大型ですが、間接制御よりも構造が簡単で安価です。

選択肢文では「直接制御は、間接制御に比べ、制御器は小型・軽量であるが、設備費が高い」となっているので、逆であり誤りです。

選択肢４は正しいです。

間接制御には電磁接触器を用いたシーケンサーが設置されており、加速・減速を自動で行うなど様々な自動運転や速度制御が容易に行えます。

選択肢５は正しいです。

半間接制御は複合制御とも呼び、巻線形三相誘導電動機に用いられる方式で、電流の多い一次側を電磁接触器で間接制御し、電流の比較的少ない二次側を直接制御器で直接制御します。