Tom Wang という1銀行員に関する苦情を
銀行の上司または苦情担当責任者の Mr. Gentle に訴えるメールを
Nancy Lee さんが書きました。
なお,「苦情」のことを日本語では「クレーム」とも言いますが,
英語で「苦情」は a complaint です。
a claim は「要求,請求」や「主張」といった意味になるので
気をつけましょう。
① I would like to lodge a complaint ---(1)--- the bad service received from one of your staff
空欄は,名詞である a complaint(苦情)と
the bad service received from one of your staff
(お宅のスタッフの1人から受けた悪いサービス)
という名詞的かたまりに挟まれているので,
空欄にはそれらを接着する役割の単語を入れる必要があることが
分かります。与えられた選択肢を見てみると,
「~に関する」という意味を持つ
現在分詞由来の前置詞 regarding(4.)があります。
これを空欄に入れると,
「お宅のスタッフの1人に受けた悪いサービスに関する
苦情を言わせていただきたい。」
という意味になり,内容に合う文が出来上がります。
したがって正解は【4】番 です。
なお,lodge a complaint は「不平を言う」。
正式な場面で使うことの多い表現です。
他の選択肢については,次の通りです。
sort of(1.)は「~の種類」や「○○の種類の~」という意味で
使われることが多いですが,動詞や形容詞,副詞の前に置き,
「多少,いくらか,ちょっとした」という意味を表すことがあります。
例)I sort of like him. (彼のこと,ちょっと好きかも。)
amounting(2.)は amount の現在分詞です。
この amount は自動詞であり,
amount to ~(~に達する,~に等しい)の形で用いられます。
(だから,[×] amounting the bad service のように名詞(の塊)を
直後に従えることはありません!)
例)His debts amount to $10,000. (彼の負債は1万ドルに達する。)
delegation(3.)は「代表派遣」「委任」「代表団」という意味です。
② I had visited the branch to ---(2)--- some money in my account.
空欄の前が to であり,
与えられた選択肢はいずれも動詞の原形であるので,to 以下で
「私が支店を訪れた」適切な理由が表せるような動詞を選びます。
与えられた選択肢のうち some money を目的語として取り得るのは,
use(~を使う;5.)と deposit(~を預金する;7.)です。
もちろん銀行の支店ですから,
deposit のほうがよいに決まっています。【7】番 が正解です。
submit(6.)は「~を提出する」。目的語として
proposal(提案)や plan(計画),report(レポート),
documentation(文書),claim(請求)などを取ります。
rely(8.)は他の選択肢とは異なり自動詞であり,
rely on ~(~に頼る)の形で使われます。
例)You have to find someone you can rely on.
(あなたは頼りになる人を見つけないといけません。)
※ この場合,on の目的語(”~” に該当する語)は someone。
抜粋部の訳:
「私は自分の銀行口座にいくらかお金を預けるために
支店を訪れました。」
③ I would request you to take action against the staff member ---(3)--- else I may have to close my account.
I would request you to take action …
(あなたに行動を起こしていただきたいと存じます)と
丁寧に言ってはいるのですが,
この部分は早い話が ’要請・命令’ です。
(〈request 人 to do〉で「人に~することを要請する」。)
ここで思い出して欲しいのが
〈命令文+or〉(~しなさい,さもないと…)
です。これと同じように考えて or(9.)を空欄に入れると,
「そのスタッフに対して行動を起こしていただきたいと存じます。
さもなければ,私は口座を閉めなければならないかもしれません。」
という,このメールの内容に合った,脅しの文が出来上がります。
したがって,【9】番 が正解ということになります。
ちなみに,or のあとの else は意味を強める目的で置かれています。
besides(10.)は前置詞の場合は「~に加えて」という意味になり,
副詞の場合は also(さらに;12.)と似たような意味になります。
due to ~(11.)は「~のために」。‘理由’ を表す前置詞句であり,
後ろに節(文の単位で,主語と動詞を伴う)を続けることはできません。
<その他の注意点>
・with my account number being 2390332
「私の口座番号は2390332(です)」
これはいわゆる ‘付帯状況の with’ と言われるもので,ここでは
I am a saving account holder in your bank
(私は御社に口座を持っており)
に補足説明を追加する役割を担っています。付帯状況の with の形が
〈with + O + C〉であることもしっかり押さえておきましょう。
(C は形容詞や現在分詞,過去分詞などが入り,
この場合の C は現在分詞句 being 2390332 です。)