インターン(実習生)として採用して欲しいという
バイオナノテクノロジー専攻の学生の手紙です。
バイオナノテクノロジーというのは,
ナノレベル(ナノメートルはミリメートルの百万分の1)の世界での
原子分子の振るまいを応用した,バイオ材料技術のことです。
そう聞くと全く縁が無い,と思ってしまうかもしれませんが,
実はファイザー&ビオンテックやモデルナのワクチンの
mRNA は脂質でできた粒の中に入っていて,
その粒の大きさがちょうどナノレベルなのです。
こんなところにもなんとやら,という感じですね。
① I am ---( 1 )--- pursuing the last year of my course.
この文は ---( 1 )--- を取って
I am pursuing the last year of my course.
(私は学業課程の最終学年を過ごしております。)
※ pursue は「~を追う,~を追求する」という意味。
としても完全に意味が通じます。
逆に言えば,---( 1 )--- は文章に必ずしも無くて良いもの,
つまり「副詞」が入るということです。この文の場合は,
am と pursuing の間に入っていることから,
---( 1 )--- に入る副詞は
述語動詞(am pursuing)を修飾しているものと思われます。
与えられた選択肢を見てみると,
副詞は currently(今のところ)のみです。
従って,【currently】が正解です。
その他の選択肢は次の通り。
current [名] 流れ,電流,[形] 今の,流通している
currents 名詞 current(1.)の複数形
currency [名] 貨幣,流通,普及
② I am writing to request you to kindly take me ---( 2 )--- an Intern
この文での take は「取る,採用する」という意味で使われています。
---( 2 )--- の後ろには an Intern(インターン)が来ていることから,
「私はあなたが親切にも私をインターンとして採用してくれるよう
お願いするために書いています」とすれば
意味が通じる文になることが分かります。
各選択肢で与えられた単語のうち,
as が「~として」という意味の前置詞として働きます。
【as】が正解です。
他の選択肢については次の通り(意味は代表的なもののみ)。
by [前] ~のそばに,~によって,~までに
so [副] そのように,そんなに [接] だから
to [前] ~(の方)へ,~まで,~のために,~に比べて
request 人 to do(人に~するように懇願する)も覚えておきましょう。
③ I shall call you in two days’ time, to ---( 3 )--- an appointment to take this further.
「この話を先に進めるよう,面接の日取りを確定するため
2日ほど後にご連絡いたします。」というような内容にすれば
話がつながります(take this further は直訳すると
「これをもっと先へ持って行く〔連れて行く〕」。
与えられた選択肢はいずれも動詞で,
prepare は「~を準備する」,
bring は「~を連れてくる」,
fix は「~を決定する,~を固定する,~を修理する」,
submit は「~を提出する,~を屈服させる」
の意味です。
このうち,目的語となる an appointment(予約)と相性がいいのは
【fix】です。「予約をする,日程を調整する」は,
fix an appointment とも,make an appointment とも,
arrange an appointment とも,book an appointment とも
言うことが可能です。
<その他の注目点>
・got to know of ~「~のことを知りました」
get to do(do は know や see などの状態動詞)は
「~するようになる」という意味。
know of ~ は「~がある〔いる〕ことを知っている〔聞いている〕」。
・our mutual friend Peter Dhawan
(私たちの共通の友人 Peter Dhawan)
our mutual friend と Peter Dhawan は同格の関係。
同格の関係だから「=(イコール)」で結べます。
mutual は「お互いの」という意味です。
・firsthand 「直に」
・so that I may learn the ropes of bionanotechnology
(私がバイオナノテクノロジーの現状を把握するために)
so that S may ~ や so that S can ~ は
「Sが~する〔できる〕ように」という意味の
‘目的’の副詞節イディオムです。この次の段落でも,
so that I can opt for a career in that direction
(私がこの方面のキャリアを選択することが出来るように)
と登場します。
・take up 「従事する」
これまで書いたように,この文章では他にも
「採用する」や「持って行く」という意味で take が使われており,
この文章では非常に多彩な意味の take が味わえます。