印刷スタッフ一同(The Printing Staff)が
雇用者に宛てて出した年末の挨拶(あいさつ)状です。
① Once again, the year is coming to a close and the holiday season ---(1)--- arrived.
選択肢は have(1.),has(2.),is(3.),are(4.)ですので,
完了形(have, has + 過去分詞)にするか,
受動態(受け身;is, are + 過去分詞)にするかを
まず考えます。arrive(到着する,来る)は基本的には
自動詞ですので受動態には出来ません。
従って,have か has のうちのいずれかが答えということになります。
抜粋した1文は,Once again, the year is coming to a close の節と
the holiday season ---(1)--- arrived の節が
等位接続詞の and でつながれている構造になっています。
そして,後半の節の主語は the holiday season です。
三人称単数のものが主語であるので,
【2】番 の has が正解ということになります。
The holiday season has arrived. には
現在完了の3つの用法のうちの完了用法が使われています。
The holiday season arrived. と過去形で書いた場合は
単に「やって来た」という事実を淡々と述べたに過ぎませんが,
現在完了の完了用法を用いた場合は,「やって来た!」結果,
街角には山下達郎の「クリスマスイブ」の世界が
広がっていることまで匂わせているのです。
抜粋部の訳:
「(今年も)また,一年の終わりが近づき,
ホリデーシーズンがやって来ました。」
② We are very happy to be employed in the most reputed ---(2)--- company in town.
選択肢は動詞 publish(~を出版する)の
5. 三人称単数現在形(publishes)
6. 原形(publish)
7. 過去形(published)
8. 動名詞・現在分詞形(publishing)
であることから,空欄の後ろの company と合わせて
「出版会社」という意味にすればいいことが予想できます。
publishing company で「出版会社」の意味になるので,
【8】番 の動名詞(現在分詞ではない)を入れます。
ここで,あえて「現在分詞ではない」と断ったのは,
現在分詞と動名詞とでは
その被修飾語の名詞との関係性が異なるからです。
例えば,falling leaves(落ち葉)は,枝から切り離されて
ひらひらと空を舞っている状態の「落ち葉」のことですが,
この語において,現在分詞 falling と被修飾語 leaves は
主語(leaves)と述語(falling)の関係性にあります。
(なお,完全に地上に落ちた「落ち葉」は fallen leaves のように
過去分詞を用いて表現します。)
一方,sleeping bag(寝袋)において,
動名詞 sleeping は被修飾語 bag の機能や目的を表します。
sleeping bag は「寝るための袋」ですよね。
publishing company の場合,「今現在,出版している会社」ではなく,
「出版を行っている(⇒機能)会社」という意味なので,
この publishing は動名詞なのです。
なお,他の選択肢が例えば,
construction(→ construction company「建設会社」)
housing(→ housing company「住宅会社」)
computer(→ computer company「コンピューター会社」)
になっていたとしても,この設問は正解して欲しいところです。
この場合,
For us, it is a noble task to have a part in providing information to everyone in the form of the books and other reading materials that we publish.
(私たちにとっては,本やその他の私たちが出版する読み物の形で
みなさんに情報を提供する一端をになうのは,崇高な使命です。)
や手紙〔メール〕の末尾の The Printing Staff から,
「出版会社」にすればよいことが判断できます。
抜粋部の訳:
「町で最も評価を受けている出版会社に雇われて,私たちは
とても幸せです。」
③ Happy ---(3)---, sir!
「今年もまた,一年の終わりが近づき…」から始まる
年末の挨拶状ということから考えて,
年末年始のクリスマス休暇(アメリカでは (the) holidays と呼ぶ)の
挨拶であることが考えられます。
Happy holidays! は「良い休暇を!」という意味の
この時期に使われる挨拶です。
(複数の s をつけるのを忘れないで下さい。)
正解は【11】番 です。
a day off(複数では days off;9.)は「休日」,
leave(12.)は「有給休暇」,「休暇期間」の意味です。
<その他の注意点>
・yet another wonderful year 「さらなる素晴らしい1年」
yet(さらに)は another を強めるために使われています。
・respect our rights as employees
「従業員としての権利を尊重してくれる」
・Certainly 「もちろん(Of course)」「確かに」
文修飾の副詞です。
・times of hardship 「困難な時期」
・our dedication and passion for our work
「私たちの仕事に対する献身と熱意」
前置詞に注目して下さい。
dedication の場合は dedication to our work,
passion の場合は passion for our work となるのですが,
後ろの passion for が勝って残った形になります。
なお,dedication to ~ は「~に専念すること」「~への献身」。
・For us, it is a noble task to have a part in providing information to everyone in the form of the books and other reading materials that we publish.
「私たちにとっては,本やその他の私たちが出版する読み物の形で
みなさんに情報を提供する一端をになうのは,崇高な使命です。」
この文は上でも登場させましたが,ここで注目して欲しいのは,
it が仮主語であり,真の主語は to have a part in からピリオドの前まで
であることです。have a part in ~ で「~に参加する」。
・countrymen(←単数形は countryman) 「我が国の人々」
他に「田舎者」という意味もあります。
なお,LGBTQIA+の観点を踏まえると,
countrypeople と書くべきなのかもしれません。