Richard の父親が亡くなったとの知らせを受けた
父親の友人である Craig White が,
Richard に宛てて書いたお悔やみの手紙〔メール〕です。
① I am ---(1)--- sorry to hear the news about your father.
試しに ---(1)--- を除いてみても,
I am sorry to hear the news about your father. となり
文法的にも意味的にも問題ない文のままです(文法等の説明は後述)。
つまり,---(1)--- には文の要素(述語動詞か形容詞)を修飾して
意味を強める副詞が入ると予想できます。
与えられた選択肢は,
1. 形容詞・原級(deep)
2. 副詞(deeply)← 形容詞 deep の派生語(+ly)
3. 形容詞・最上級(deepest)
4. 形容詞・比較級(deeper)
なので,必然的に deeply しか候補に残りません。
このように,正解は【2】番 です。
deep(1.)は主に形容詞として使われ,「深い」という意味を表します。
副詞として使われる場合は「深く」「強烈に」という意味になりますが,
「心の底から」という意味にはならないので,
[×] deep sorry とは言えません。「ひどく」「心の底から」と言いたい場合は
副詞 deeply(2.)を使いましょう。
なお,I am sorry to do(hear など)は
「~して(聞いて,など)かわいそう〔残念,すまなく〕に思う」
という意味です。この場合の to do は
副詞的用法で ‘感情の原因’ を表しています。
I was shocked to hear that she had married him.
(私は,彼女が彼と結婚したと聞いてショックを受けた。)
などもこの用法です。
抜粋部の訳:
「あなたのお父さんについての知らせを聞いて,
大変残念に思います。」
② I can truly understand how difficult it is for you to ---(2)--- from this loss.
understand の目的語として,
疑問文 How difficult is it for you to ---(2)--- from this loss? が
名詞節化して組み込まれています(名詞節化されると
it is となることに注意しましょう)。この名詞節自体が
It is〈形容詞〉for A to do(Aが~するのは〈形容詞〉である)
という構文の変形であることが分かれば,
---(2)--- に入るのは少なくとも動詞(の原形)であることが
予想できます。与えられた選択肢は,
5. 名詞(oversight)
6. 動詞・名詞(overview)
7. 形容詞・副詞(overseas)
8. 動詞(overcome)
ですので,6. と 8. が候補ということになります。
このうち overcome は「乗り越える,克服する,回復する」
という意味ですので,---(2)--- に入れると
「私にはこの喪失を乗り越えるのがいかに難しいかが
本当に理解できます。」という,
お悔やみの手紙〔メール〕にふさわしい,意味の通った文になります。
【8】番 が正解です。
overcome には自動詞と他動詞の用法があり,
from はつけてもつけなくてもこの場合は同様の意味になります。
get thorough …,get over …,go through … の各熟語を使って
言い換えることも可能です。
oversight(5.)は「見過ごし」,「監視」。
似たような単語に overlook があり,
こちらは「見過ごし」「見晴らし(のいい場所)」という意味の名詞として
だけでなく,「見落とす」,「大目に見る」,
「監督する,取り締まる」という意味の動詞としても使われます。
overview(6.)は名詞としては「概観,概要」,
動詞としては「~を概観する」という意味です。
overseas(7.)は形容詞としては「海外の」,
副詞としては「海外で」「海の向こうに」という意味を持ちます。
③ If you want someone to talk ---(3)---, never feel alone …
各選択肢は次の通りです。
5. (talk) with ~ 「~と相談する」「~と話をする」
6. (talk) at ~ 「~に一方的にしゃべりまくる〔まくしたてる〕」
7. (talk) for ~ 「~の間,話す」
8. (talk) to ~ 「~と話をする,~と話し合う」
このうち,talk for ~(7.)の~には ‘時間’ が入り,
例えば talk for 2 hours(2時間話す)のように使うので
最初から除外できます。また,talk at ~(8.)も
父親を亡くした後でそのような勢いで話す人は
いないと思われるのでこれも除外できます。
残りの talk with ~(9.)と talk to ~(12.)は
ともに「~と話をする」という意味を持ちますが,
talk with ~ は「~と話し込む」「~と話し合いをする」
「~と語り合う」「~に相談する」と訳せるような,
どっぷり,たっぷり話し込む感じですが,
talk to ~ は「~に話しかける」と訳せるような軽い感じです。
抜粋部の場合,要は「何か話したいことがあったら
気軽に声をかけてよ,話は聞くから。」ということなので,
talk to ~ のほうが適していると思います。
【12】番 が正解です。なお,イギリス英語の場合,
「~に相談する」は talk to ~ を使うのが普通で,
talk with ~ は格式高い文で使うのだとか。
なお,If you want someone to talk to, の to の後には
何か名詞か代名詞は来ないのか?と思った方もいるかもしれません。
この場合の前置詞 to の目的語は,
不定詞句 to talk to の修飾を受けている someone です。
この不定詞の用法は形容詞的用法ですが,
形容詞的用法の不定詞句の前置詞は,修飾される名詞から
絶対にその前置詞しか来ないと予想されるような場合を除いて
必ず残さなければなりません。例えば,以下のような場合は
前置詞は必須です。
例)I want something to write with.
(私は何か筆記具が欲しいです。)
例)I want something to write on.
(私は何か書き留めるもの(紙など)が欲しいです。)
また,If you want someone to talk to, は
〈want 人 to do〉(人に~してもらいたい)と形は似てますが,
ここでは単純に「そういう人が欲しい」という意味に取りましょう。
抜粋部の訳:
「あなたがもし誰か話をする相手が欲しいと思ったら,
自分は孤独だとは決して思わないで下さい。」
<その他の注意点>
・take comfort in ~ 「~にいさめを得る」
・our thoughts and prayers 「私たちの思いやり〔注意〕や祈り」
・all this while 「この間ずっと」
・siblings 「兄弟姉妹」