二級ボイラー技士の過去問 令和2年10月公表 燃料及び燃焼に関する知識 問26

正答は「５」です。

設問は、ボイラ用気体燃料について問われています。

以下に、選択肢ごとに説明します。

　１．LNGは、天然ガスを産地で精製後、−162℃に冷却し液化したものです。
　　　天然ガス成分は、圧縮するだけで液化できないため、冷却して液化します。

　２．気体燃料は、固体燃料に比べて燃料中の硫黄分や灰分が少ないため公害防止上有利で、また、ハイが発生しないため伝熱面、火炉壁などを汚染することがほとんどありません。

　３．都市ガスは、液体燃料に比べてNOxやCO2の排出量が少なく、また、SOxは排出しません。

　４．LPGは気体比重が空気より重いため、漏えいすると窪（くぼ）みなどの底部に滞留しやすくなります。

　５．気体燃料は、液体燃料に比べて体積が大きくなるために配管口径が大きくなるので、配管費や制御機器費などが高くなります。

以上の説明により、選択肢５が誤っていることがわかります。

正答は「５」です。

正解は「5」です。

気体燃料に関する問題です。

1．正しいです。

気体のままだと体積が大きくなり，船での輸送の際が不利になるため，低温（-162℃）に冷却し液化させます。

2．正しいです。

採取時に窒素および硫黄分等の不純物を除去するため，NOx・SOxの発生を抑制できます。また，灰分が少なく過剰空気量も抑えられるため，ばいじん発生量も少なく，伝熱面・火炉壁などを汚染することがほとんどありません。

3．正しいです。

炭素に対する水素の比率が高いため，燃焼時のCO₂排出量が少なくなります。採取時に窒素および硫黄分等の不純物を除去するため，NOx・SOxの発生を抑制できます。

4．正しいです。

LPGは空気よりも重く，漏洩の際は底部の窪みに滞留し易くなります。

5．誤りです。

気体燃料は液体燃料と比較して体積が大きくなります。そのため，燃料輸送配管の口径が大きくなり，配管費および制御機器費が高くなります。

正解は5です。

1. 正しい。LNG（液化天然ガス）は、天然ガスを産地で精製後、−162℃に冷却し液化したものです。

2. 正しい。気体燃料は、固体燃料に比べて燃料中の硫黄分や灰分が少なく、石炭や重油と比較してクリーンな燃料です。また、伝熱面、火炉壁などを汚染することがほとんどありません。

3. 正しい。都市ガスは、液体燃料に比べてNO_XやCO₂の排出量が少なく、また、SO_Xは排出しません。

4. 正しい。LPG（液化石油ガス）は空気より密度が大きいため、漏えいすると窪みなどの底部に滞留しやすいです。

5. 誤り。気体燃料は、液体燃料に比べ、単位体積あたりの燃焼熱量が小さいため、同熱量を得るためには配管口径は大きくする必要があります。