問題
X氏:「当社の本社はC県のAB市にあり、私は地元の経済団体の役職にも就いているのですが、最近、AB市で盛り上がっているのが、AB市内の漁港で水揚げされた海老のすり身を煎餅の生地に練り込んで焼いた特産品の『ABせんべい』をもっと全国的に売り出そうという企画なんです。確か、地域の特産品の名称を保護するような商標がありましたよね。」
あなた:「地域団体商標のことですか。正確なことは専門家に聞いた方がいいと思いますが、地域団体商標が認められるには、結構要件が厳しかったはずですよ。権利の主体は、事業協同組合等のほか、平成26年に施行された法改正で新たにNPO法人や[ ① ]等にも広げられました。しかし、『ABせんべい』という名称を使用しているだけでは難しくて、例えば『ああ、あのAB市特産の、海老を原材料にした煎餅だなと消費者や事業者が広く認識する程度の周知性が必要です。」
X氏:「地域的にどの程度まで周知ならいいのですか。」
あなた:「一般的には、[ ② ]に及ぶ程度の周知性が必要とされています。」
X氏:「なるほど、そう簡単なわけでもなさそうですね。実は、AB市の公募で採用された『ABせん兵衛くん』という、いわゆるゆるキャラが『ABせんべい』の知名度向上に一役買っているのですが、最近、地元のイベントで『ABせん兵衛くん』の偽物が現れましてね。よく似た着ぐるみを着て、『海老みそブシューッ!』と叫びながらエビ反りになってのたうち回るなんてギャグをやったりして、子供にはうけますが、下品だと言って嫌う人もいます。こういったゆるキャラの権利を知的財産で守るような法的手段はないのでしょうか。」
あなた:「キャラクターのデザインや絵柄の創作を保護するなら、やはり[ ③ ]で守るというのが最も素直でしょう。広告宣伝用であれば、平面だけでなく立体的な構成も[ ④ ]、あるいは[ ⑤ ]で保護が可能ですが、広告宣伝の対象となる商品やサービスを特定する必要がありますし、[ ④ ]は登録の手続が、[ ⑤ ]は権利行使のために周知性の立証が必要です。また、ぬいぐるみの量産品であれば[ ⑥ ]で保護される可能性も出てきますが、一方でそのような物品が[ ③ ]による保護の対象になるか、という問題も出てきます。結局、場面に応じた個別的な法的保護の組み合わせでキャラクターの利益を守るしかないのが現状です。」
会話の中の空欄③〜⑥に入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。