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第三種電気主任技術者の過去問 平成28年度(2016年) 電力 問24

問題

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次の文章は、発電所に用いられる同期発電機である水車発電機とタービン発電機の特徴に関する記述である。

水力発電所に用いられる水車発電機は、直結する水車の特性からその回転速度はおおむね100min-1〜1200min-1とタービン発電機に比べ低速である。したがって、商用周波数50/60Hzを発生させるために磁極を多くとれる(ア)を用い、大形機では据付面積が小さく落差を有効に使用できる立軸形が用いられることが多い。タービン発電機に比べ、直径が大きく軸方向の長さが短い。
一方、火力発電所に用いられるタービン発電機は原動機である蒸気タービンと直結し、回転速度が水車に比べ非常に高速なため2極機又は4極機が用いられ、大きな遠心力に耐えるように、直径が小さく軸方向に長い横軸形の(イ)を採用し、その回転子の軸及び鉄心は一体の鍛造軸材で作られる。
水車発電機は、電力系統の安定度の面及び負荷遮断時の速度変動を抑える点から発電機の経済設計以上のはずみ車効果を要求される場合が多く、回転子直径がより大きくなり、鉄心の鉄量が多い、いわゆる鉄機械となる。
一方、タービン発電機は、上述の構造のため界磁巻線を施す場所が制約され、大きな出力を得るためには電機子巻線の導体数が多い、すなわち銅量が多い、いわゆる銅機械となる。
鉄機械は、体格が大きく重量が重く高価になるが、短絡比が(ウ)、同期インピーダンスが(エ)なり、電圧変動率が小さく、安定度が高く、(オ)が大きくなるといった利点をもつ。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
   1 .
(ア)突極機 (イ)円筒機 (ウ)大きく (エ)小さく (オ)線路充電容量
   2 .
(ア)円筒機 (イ)突極機 (ウ)大きく (エ)小さく (オ)線路充電容量
   3 .
(ア)突極機 (イ)円筒機 (ウ)大きく (エ)小さく (オ)部分負荷効率
   4 .
(ア)円筒機 (イ)突極機 (ウ)小さく (エ)大きく (オ)部分負荷効率
   5 .
(ア)突極機 (イ)円筒機 (ウ)小さく (エ)大きく (オ)部分負荷効率
( 第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 電力 問24 )
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この過去問の解説 (2件)

5
水車発電機は、タービン発電機に比較して回転が低速です。低速回転で商用周波数の50Hz/60Hzを作るため、磁極を多数設ける必要があります。そこで回転子の直径を大きくして回転子の外側に界磁極を極数分並べて界磁巻線を形成します。この界磁極が突起状に並んでいるのが突極型で、容易に極数を増やすことができます。また、軸方向の長さは短くなります。軸を垂直に立てた立軸型は、設置面積が少なくて済み、落差を有効に利用できるといったメリットがあります。

一方、タービン発電機は高速で回転させるので、商用周波数の50Hz/60Hzを作るのに磁極数も少なくて済みます(例えば、磁極数が2の場合、50Hzで3,000rpm、60Hzで3,600rpmとなります )。高速回転に耐えられるように、円筒形の回転子は直径を小さくし、軸方向に長くしています。また、回転子表面に溝を切り、巻線を埋め込んで、出っ張りを無くしています。

よって、(ア)には‟突極機”、(イ)には‟円筒機”が入ります。

はずみ車は、フライホイールとも言い、重量のある円盤状の車輪を回転させ、慣性の力で速度変動(水流の変化や負荷トルクの変動)を吸収して回転数を一定に保ちます。

短絡時の電流は定格電流の何倍か、を表したものが短絡比です。短絡比が大きくなると、短絡時の電流が増えます。

同期インピーダンスは、同期発電機の内部インピーダンスのことを言います。また、同期インピーダンスと短絡比は、逆数の関係にあり、同期インピーダンスが小さいほど、電流は流れやすくなり、短絡比は大きくなります。

電機子巻線の巻き数を少なくすると、同期インピーダンスも下がり、短絡比が大きくなります。ただし、巻き数が少ない分、同じ電圧を誘起するために、大きな磁束が必要となり、鉄芯も大きくなる傾向にあります(鉄機械)。

一方、電機子巻線の巻き数を多くすると、線長が長くなって同期インピーダンスが上がり、短絡比は小さくなります。鉄心は比較的小さくて済みますが、巻線である銅の量が多くなるので、銅機械と言います。

送電線路と大地の間や、送電線と送電線の間には静電容量が生じます。そのため、無負荷であってもこの静電容量への充電電流が流れてしまいます。
線路充電容量は、この送電線路への充電電流をどれだけ許容できるかの量になります。
同期インピーダンスが小さいほど、充電電流の許容量が増える、すなわち線路充電容量が大きくなります。

水車発電機(鉄機械)は電機子巻線の巻き数が少なく、同期インピーダンス(内部インピーダンス)が小さいので、短絡比が大きく、線路充電容量も大きくなります。また、安定度が高く、電圧の変動も小さくなります。

よって、(ウ)には‟大きく”、(エ)には‟小さく”、(オ)には‟線路充電容量”が入ります。

以上より、正解は1.になります。

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0
同機器の知識に関する問題です。


同機器の回転子は大きく2種類存在します。
突極型と円筒型です。

突極型は凸型の磁極片が四方に飛び足しており、高速回転に適した形状でありません。
円筒型は名前通りの形状で、高速回転に適しています。

よってアは突極型、イは円筒型となります。


同機器の出力を決める誘導起電力Eは
E=4.44×巻線係数k×周波数f×巻き数n×磁束密度Φ
で求まります。


銅機械は、電機子巻線の巻き数を多くすることでEを大きくしました。
鉄機械は、電機子巻線の巻き数より、
磁束密度を上げるアプローチを取った機械です。


巻き数を減らした結果、電機子反作用が小さくなり同期インピーダンスも減少します。
同期インピーダンスと短絡電流は反比例の関係にあるため、短絡比は増加します。
また電圧変動率が小さいため、許容できる進相電流も大きくなります。


よってウは大きく、エは小さく、オは線路充電容量となります。

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