問題
ただし、コイル1及びコイル2の自己インダクタンスはともにL[H]、その巻数をNとし、また、鉄心は等断面、等質であるとする。
まずは、図1、図2の巻き方の違いを明確にします(右ねじの法則で考えます)。
図1は、コイル1が生む磁束とコイル2が生む磁束がぶつかり合います。
⇒これを「差動接続」といいます。
図2は、コイル1が生む磁束とコイル2が生む磁束が同一方向です。
⇒これを「和動接続」といいます。
上記が明確となれば、コイルの合成インダクタンスの公式から、LとMを導出します。
※合成インダクタンスの公式
L和動=L1+L2+2M
L差動=L1+L2-2M
合成インダクタンスの公式から、
(2L+2M)-(2L-2M)=L(図2)-L(図1)
4M=2.0-1.2
M=0.2[H]
上記を合成インダクタンスの公式に代入し、
2L+2×0.2=2.0
L=0.8[H]
よって、この問題の正解は【2】となります。
正解:【2】
図1の接続の場合、コイル1とコイル2に発生する磁束は反対向きになっています。これを「差動接続」と言います。
この場合の合成インダクタンスLdは次の通りになります。
式1) Ld = L1 + L2 − 2*M
ここで、L1は1次コイルのインダクタンス、L2は2次コイルのインダクタンス、Mは相互インダクタンスです。
図2の場合、コイル1とコイル2に発生する磁束は同じ向きになっています。これを「和動接続」と言います。
この場合の合成インダクタンスLdは次の通りになります。
式2) Ls = L1 + L2 + 2*M
LdとLsから、Mを次のように計算できます。
Ls − Ld = (L1 + L2 + 2*M) − (L1 + L2 − 2*M)
= 4M
よって、
M = (Ls − Ld) / 4
= (2 − 1.2) / 4
= 0.8 / 4
= 0.2 [H]
なお、L1とL2は同じ値Lであるため、Lは次のように計算できます。
Ls + Ld = (L1 + L2 + 2*M) + (L1 + L2 − 2*M)
= L1 + L2 + L1 + L2
= 4L
よって、
L = (Ls + Ld) / 4
= (2 + 1.2) / 4
= 3.2 / 4
= 0.8 [H]
以上により、選択肢の【2】が正解となります。