過去問.com - 資格試験の過去問 | 予想問題の解説つき無料問題集

第三種電気主任技術者の過去問 平成30年度(2018年) 機械 問46

問題

このページは問題閲覧ページです。正解率や解答履歴を残すには、 「条件を設定して出題する」をご利用ください。
[ 設定等 ]
三相誘導電動機の始動においては、十分な始動トルクを確保し、始動電流は抑制し、かつ定常運転時の特性を損なわないように適切な方法を選定することが必要である。次の文章はその選定のために一般に考慮される特徴の幾つかを述べたものである。誤っているものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
   1 .
全電圧始動法は、直入れ始動法とも呼ばれ、かご形誘導電動機において電動機の出力が電源系統の容量に対して十分小さい場合に用いられる。始動電流は定格電流の数倍程度の値となる。
   2 .
二重かご形誘導電動機は、回転子に二重のかご形導体を設けたものであり、始動時には電流が外側導体に偏り始動特性が改善されるので、普通かご形誘導電動機と比較して大きな容量まで全電圧始動法を用いることができる。
   3 .
Y−Δ始動法は、一次巻線を始動時のみY結線とすることにより始動電流を抑制する方法であり、定格出力が5〜15kW程度のかご形誘導電動機に用いられる。始動トルクはΔ結線における始動時の1/√3となる。
   4 .
始動補償器法は、三相単巻変圧器を用い、使用する変圧器のタップを切り換えることによって低電圧で始動し運転時には全電圧を加える方法であり、定格出力が15kW程度より大きなかご形誘導電動機に用いられる。
   5 .
巻線形誘導電動機の始動においては、始動抵抗器を用いて始動時に二次抵抗を大きくすることにより始動電流を抑制しながら始動トルクを増大させる方法がある。これは誘導電動機のトルクの比例推移を利用したものである。
( 第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 機械 問46 )
このページは問題閲覧ページの為、解答履歴が残りません。
解答履歴を残すには、
条件を設定して出題する」をご利用ください。

この過去問の解説 (2件)

0

正解は3です。

1 .全電圧始動法は、直入れ始動法とも呼ばれ、かご形誘導電動機において電動機の出力が電源系統の容量に対して十分小さい場合に用いられる。始動電流は定格電流の数倍程度の値となる。→正しいです。
全電圧始動法は直入れ始動法とも呼ばれ、最初から定格電圧を印加して始動する方法です。始動電流が小さく、電圧降下による周辺機器への悪影響も少ない小容量で、最も簡易なこの始動法が用いられます。

2 .二重かご形誘導電動機は、回転子に二重のかご形導体を設けたものであり、始動時には電流が外側導体に偏り始動特性が改善されるので、普通かご形誘導電動機と比較して大きな容量まで全電圧始動法を用いることができる。→正しいです。
二重かご形誘導電動機は、回転子の導体の抵抗が大きい上部と、導体の抵抗が小さい下部の二重構造になっています。
始動時は周波数が高いため、上部の導体に電流が集中して流れ、全体の抵抗が大きくなります。
運転時は回転速度が上昇して周波数が低下するため、下部の導体に大きな電流が流れて全体の抵抗は小さくなります。
よって、かご形誘導電動機よりも大きな容量まで全電圧始動法を使用することができます。

3 .Y−Δ始動法は、一次巻線を始動時のみY結線とすることにより始動電流を抑制する方法であり、定格出力が5〜15kW程度のかご形誘導電動機に用いられる。始動トルクはΔ結線における始動時の1/√3となる。→誤りです。
Y−Δ始動法は、まず一次巻線をY結線として始動し、加速して定格回転数近くになったときΔ結線に変更する始動方法です。
始動電流は線電流なので、Y結線の各相の抵抗をR、線間電圧をVとすると、Y結線の線電流IYは、IY = VI√3R となります。
そしてΔ結線に変更すると、Δ結線の線電流IΔは、IΔ = √3VIR となります。
IY/IΔ = (VI√3R)/(√3VIR) = 1/3 となることから、始動時にY結線とすることにより定格電圧での始動電流を1/3に抑制できます。よって誤りです

4 .始動補償器法は、三相単巻変圧器を用い、使用する変圧器のタップを切り換えることによって低電圧で始動し運転時には全電圧を加える方法であり、定格出力が15kW程度より大きなかご形誘導電動機に用いられる。→正しいです。
始動補償器法は、始動補償器として三相単巻変圧器を使用した始動法です。始動時は始動補償器の三相単巻変圧器により始動し、電圧が変圧器のタップで定格電圧より電圧で始動電流を制限し、回転数が定格速度近くになったとき、始動補償器を外し全電圧にします。

5 .巻線形誘導電動機の始動においては、始動抵抗器を用いて始動時に二次抵抗を大きくすることにより始動電流を抑制しながら始動トルクを増大させる方法がある。これは誘導電動機のトルクの比例推移を利用したものである。→正しいです。
巻線形誘導電動機はスリップリングを通して始動抵抗器を接続し、始動抵抗器を最大抵抗として始動します。
回転数の上昇に合わせて始動抵抗器の抵抗値を減少させ、抵抗値が0になったとき、二次巻線を短絡状態にします。
二次抵抗始動法とも呼ばれ、始動抵抗を大きくすることで始動トルクを大きくし、定格電流に近い始動電流で始動させることができます。

付箋メモを残すことが出来ます。
0
解答・解説
(1)正しいです。
全電圧始動では電動機端子に直接電源を接続するので特別な始動装置が不要なので安価ですが始動電流が定格電流の5~7倍となり、力率も悪く電圧変動が大きので、同じ母線に接続されている他の機器に影響を与えます。
電源、機械系に与える始動時の衝撃が問題とならない小容量(3.7kW以下)の電動機に用いられます。

(2)正しいです。
問題文の通り、二重かご形誘導電動機は回転子に内側と外側の二重かご形導体を設けたものです。始動トルクは回転子の抵抗に比例して大きくなります。始動電流は外側の導体に偏りますので内側より外側の導体抵抗を大きくすることで始動トルクを大きくすることができます。

(3)間違いです。
問題文の通り、固定子巻線がΔ結線で運転される電動機を始動時のみY結線とし、始動完了後にΔ結線に戻す方法です。Δ結線をY結線にすることで始動電流が全電圧始動の1/3倍となり、始動トルクも1/3倍となります。

(4)正しいです。
問題文の通り、単巻変圧器を用いて始動電圧を下げる方法です。他の始動方法に比べ高価です。補償器始動では加速後に全電圧に切り替える時に大きな突入電流が発生する恐れがあるのでこれを抑えるためにリアクトルを挿入したコンドルファ始動とすることがあります。

(5)正しいです。
問題文の通りです。始動抵抗器には金属抵抗器または液体抵抗器が使用されますが、安価で保守の容易な金属抵抗器が一般的に使用されています。

よって答えは3番となります。

問題に解答すると、解説が表示されます。
解説が空白の場合は、広告ブロック機能を無効にしてください。
他のページから戻ってきた時、過去問ドットコムはいつでも続きから始めることが出来ます。
また、広告右上の×ボタンを押すと広告の設定が変更できます。
この第三種電気主任技術者 過去問のURLは  です。
付箋は自分だけが見れます(非公開です)。