第三種電気主任技術者の過去問 令和元年度（2019年） 理論 問19

正解は5番の(イ)と(ハ)になります。


【解説】
電源側のpチャネルMOSFETは、ゲート電圧が低くなる（０）ことで、ドレーン、ソース間が導通します。今回では電源が出力されるので１となります。


接地側のnチャネルMOSFETは、ゲート電圧が高くなる（１）ことで、ドレーン、ソース間が導通します。今回では接地とつながるので０となります。

つまり、NOT回路と同等になります。


イロハのうち、NOT回路と同じ動きをするのは、（イ）と（ハ）になります。

図1は、電源側にpチャンネルMOSFET、グランド側にnチャンネルMOSFETを接続しています。

図記号から、pチャンネルMOSFETは電源側にソース、出力側にドレイン、またnチャンネルMOSFETは出力側にドレイン、グランド側にソースを接続しています。

ここで、電源電圧を「１」、グランドを「０」とします。

入力に「1」を入力した場合、nチャンネルMOSFETのゲート・ソース間電圧は「1-0」で正となり、当該MOSFETのドレインからソースへ電流が流れます。よって、出力は「0」となります。

次に、入力に「０」を入力した場合、pチャンネルMOSFETのゲート・ソース間電圧は「0-1」で負となるため、pチャンネルMOSFETのソースからドレインに電流が流れます。しかし、nチャンネルMOSFETのゲート・ソース電圧は正とはならず、導通しません。よって出力は「１」となります。

これらのことから、出力は入力を反転しているものと考えられます。

では、各選択肢について検討します。

（イ）
NANDゲートで入力は2つとも同じであるため、出力は入力の反転です。
よって、図1と同一値です。

（ロ）
「1」を入力した時、出力は「1」です。
また、「０」を入力した時、出力は「１」です。
入力が「１」のときは出力が反転していないため、図1と同一値ではありません。

（ハ）
「１」を入力した時、出力は「０」
「０」を入力した時、出力は「１」
出力は入力の反転となるので、図１と同一値です。

よって、（イ）（ハ）が図1と同一値になるため、（５）が正解です。