第三種電気主任技術者の過去問 令和2年度(2020年) 電力 問30
この過去問の解説 (2件)
考え方として、定格遮断電流とは遮断可能な最大の電流であり、
三相短絡が発生した際の三相短絡電流を許容する必要があります。
よって、三相短絡電流の値を求めます。
まず、%Zを扱う問題においては、
それぞれの基準容量が一致しているかどうか確認が必要です。
今回の問題では全て20MVAで一致していますので、
基準容量は既に統一されています。
ここで、遮断器から電源までの%Zを考えると、
問題文より、変圧器の1次側から電源まで %ZP = 1.1% であり、
変圧器の%ZTは10.6%と与えられています。
基準容量が同じであるので、
電源から遮断器までの%Zはそれぞれの和として扱う事が出来ます。
%Z = %ZP + %ZT
= 1.1% + 10.6%
= 11.7%
%Zは短絡比(IS/IB)の逆数であることを利用するためには、
基準電流IBが必要です。
変圧器2次側における基準電流IBは基準容量20MVAと、
2次側定格電圧6.6kVから求めることができます。
IB = ( 20 x 106 ) / ( √3 x 6600 ) = 1749.5 A
(定格電圧は基本的に線電圧であり、
相電圧ではないことに注意してください。)
以上より、
%Zは短絡比(IS/IB)の逆数であることを利用すると、
IS = (100/%Z) × IB = (100/11.7) × 1749.5
= 14953 A
≒ 15 kA
三相短絡電流が求まりましたので、
定格遮断電流はこれを超える数値である必要があります。
ここで、問題の選択肢を確認し、
15kAに近く、15kAを超えるものを選びます。
よって、[4]の 20 kA が正解です。
正解は4です。
三相変圧器の2次電流は
In = P / √3 × E
= 20 × 106 / (√3×6600)
≒ 1750 [A]
パーセントインピーダンスは、回路に定格電流 In [A] が流れているときは、インピーダンス Z [Ω] で起こる電圧降下 InZ と定格電圧 En [V] の比を百分率 [%]で表したものです。
%Z = In × 100 / En [%] ・・・①
短絡電流 Is は、定格相電圧 En [V] を短絡点から見た系統の合成インピーダンス Z [Ω] としたときに、下記の式が成立します。
En=IsZ ・・・②
①に②を代入します。
%Z = In × 100 / Is [%] 〔 In:定格電流[A] Is:短絡電流[A] 〕
短絡電流 Is は
1.1 + 10.6 = 1750 × 100 / Is
Is = 1750 × 100 / 11.7
≓ 14957 [A]
短絡電流より大きい定格遮断電流のものを選定しなければならないので、直近上位の 20.0 [kA] となります。
よって、4 の 20.0[kA] が正解となります。
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