正解は1です。
架空送電線路の線路定数とは、下記の4つとなります。
・送電線の抵抗
・インダクタンス
・静電容量(キャパシタンス)
・漏れコンダクタンス(リーカンス)
線路定数は、電線の種類、太さ、構造などによって定まる値であって、送電電圧、電流、力率、気象条件などによって線路定数の値が変化することなく、常に一定となります。
線路定数のうち抵抗値は、材料、長さ、断面積で決まりますが、電線の中心部より、外側の方が抵抗が大きくなる表皮効果により、交流を流すと抵抗値は高くなります。
表皮効果は、電線が太いほど、また周波数が高いほど、大きくなります。
作用インダクタンスLと作用静電容量Cは、線間距離Dと電線半径rを用いると、下記の式で表されます。
L ≒ 0.05 + 0.4605 log10(D/r) [mH/km]
C ≒ 0.02412 / log10(D/r) [μF/km]
上記の式より、D/r の値が大きくなれば、作用インダクタンスLは大きくなり、作用静電容量は小さくなります。
また送電線路の電力、電圧、電流などは、線路定数を用いて表した等価回路にて計算をおこないますが、次のような場合、線路こう長によって線路定数の用いる方法が変わります。
・こう長が数十 km 程度の短距離送電線路
線路定数のうち、静電容量と漏れコンダクタンスを無視し、抵抗とインダクタンスが1か所に集中しているインピーダンス回路として考えます。
・こう長が100 km 程度の中距離送電線路
線路定数のうち、静電容量、抵抗、インダクタンスが1か所に集中している集中定数回路として考えます。
集中定数回路は、静電容量が電線路の中央に集中しているT回路と、静電容量が両側に集中しているπ回路の2通りがあります。
よって、1 の「ア:漏れ イ:交流 ウ:小さく エ:集中 オ:π」が正解となります。