問題
ただし、条件は次のとおりとする。なお、水の揚程は一定とし、損失水頭はないものとする。
水の揚程 Hp:240m
揚水量 V:3.6×106m3
ポンプの効率 ηp:0.80
電動機の効率 ηm:0.98
正解は【3】です。
揚水時に必要な電力量は以下の式で求めます。
P=9.8Q(H+h)/np×nm
P=電力量(KW)
9.8=重力加速度(m/S2)
Q=流量(㎥/s) 揚程量が一定ならばV(揚水量)=Q
H=揚程高さ・落差(m)
h=損失水頭(m)
np=ポンプ効率
nm=電動機の効率
計算においては、単位を一定に揃える必要が有ります。
流量の㎥/sを基準に、水1㎥=1kgとなり、電力量はkが単位となります。
Sというのは、秒という意味です。
問題文の数字をいれると
P=9.8×3.6×10の6乗×240/0.8×0.98
P=8,467,200,000/0.784
P=10,800,000,000となりますが、単位が秒で計算している為、1時間に直すと
1時間=3600秒の為
10,800,000,000/3600=3,000,000KW
1000KW=1MWとなり
3000MW・hが答えとなります。
揚水量を下部貯水池から、上部貯水池まで引き上げるには、揚水量の位置エネルギーに等しい電動機の出力よって、ポンプ水車を回すことが必要です。
よって、揚水量の位置エネルギーを、電力量に換算すれば、揚水時に必要な電力量〔MW・h〕が求められます。
揚水量の位置エネルギー Q は、揚水の重量(M)×揚程(HP)で計算でき、以下のようになります。g が重力加速度で、9.8 m/s2 です。
Q = M g HP
水の比重は1として、1 m3 = 1000 kg ですので、M = V×1000 [kg] です。
位置エネルギーは、単位が、J/s になり、電気エネルギーに変換すれば、
J/s = W/s
発電電動機のエネルギー表示を、MW・H とするには、106×W/s÷(60×60) = MW・H となりますので、
J/s 単位との関係は、106×J/s /(60×60) = MW・H です。
ポンプ車で上部まで引き上げる効率は、1/ηm 、電動機で上部まで引き上げる効率は、1/ηp となります。(効率は引き上げる方向になるため逆数になります)
揚水量の位置エネルギー [J/s]を、電気エネルギー [MW・h]に変換します。
Q = M g HP =V × g × HP
= 3.6×109 [kg] × 9.8 [m/s2]× 240 [m] [J/s]
= 3.6×103 × 9.8 × 240 ÷ (60×60×0.98×0.8) [MWh]
= 3 × 103 [MWh]
= 3000 [MW・h]
×
誤りです。計算と異なります。
×
誤りです。計算と異なります。
〇
正解です。計算は、解説の通りです。
×
誤りです。計算と異なります。