FP2級の過去問 2020年1月 学科 問23
この過去問の解説 (3件)
[1]適切
仕組債は、デリバティブが組み込まれた債券のことで、一般的な債券よりも高い金利が設定されている半面、通常の債券に生じる信用リスクに加えて、償還金額が額面金額を下回る元本割れのリスクがあります。
[2]適切
転換社債型新株予約権付社債とは、一定の条件で発行体の企業の株式に転換できる権利がついた社債のことで、一般的に転換社債、またはCBと呼ばれます。
株式に転換できるメリットがあるため、一般的な社債と比べて利率は低くなっています。
[3]適切
他社株転換条項付債券(EB)は、対象となる株式の判定日における株価によって、額面金額で償還されるか、株式で償還されるかが決まります。
[4]不適切
リバース・デュアルカレンシー債(逆デュアル債)は、購入代金の払込みと「償還」が円貨で、「利払い」が外貨の外国債券を言います。
購入代金の払込みと利払いが円貨で、償還が外貨のものは、デュアルカレンシー債と言います。
【正解 4】
各種債権の一般的な特徴についての問題です。
[1]適切
仕組債とは、一般的な債券にない特別な仕組みを持つ債権のことです。
具体的には、スワップやオプションなどのデリバティブ取引が組み込まれた債券のことで、一般的な債券よりも利率は高いですが、通常の債券に生じる信用リスクに加えて、株価変動等による元本割れのリスクがあります。
[2]適切
転換社債型新株予約権付社債とは、発行時に定められた価格(転換価格)で発行体の企業の株式へ転換できる社債のことです。
一般的に転換社債、またはCB(Convertible Bond)と呼ばれます。
[3]適切
他社株転換条項付債券(EB債)は、その満期償還時における株価によって、額面金額の償還金が支払われるか、他社株式が交付される可能性がある、仕組債のひとつです。
償還金か他社株式のどちらが交付されるかは、株価によって決まるので、投資家が選択できるわけではありません。
[4]不適切
リバース・デュアルカレンシー債は、日本が契約主体とした場合に、払込みと償還が「円貨」で、利払いが「外貨」で行われる債券です。
なお、払込みと利払いが円貨で、償還が外貨で行われるものは、デュアルカレンシー債と言います。
解答 4
1.○
仕組債とは、通常の債権にスワップやオプション取引などのデリバティブの仕組みを組み込んだ債権です。デリバティブを利用することで、通常の債権よりも高い金利を設定することができますが、通常の債権と同様の信用リスクに加えて、仕組債特有のリスクにより、償還金額が額面金額を下回る場合もあります。
2.○
転換社債型新株予約権付社債は、株式に転換できる債権でCB(Convertible Bond)とも呼ばれます。債権として、一定の利息を受け取ることができ、満期時には額面で償還されます。また、あらかじめ決められた価額で株式に転換することもできます。
3.○
他社株転換条項付債券(EB)は、償還日までの株価の変動によって、満期日に償還金が支払われる代わりに、債権の発行者と異なる会社の株式で償還される可能性のある債権です。
4.✕
リバース・デュアルカレンシー債は、購入代金の払込みと償還金の支払いが同じ通貨で行われ、利払いが異なる通貨で行われる債権です。
購入代金の払込みと利払いが同じ通貨で行われ、償還金の支払いが異なる通貨で行われるのは、デュアルカレンシー債です。
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