問題
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技術は人間の目的を実現するための手段として役立つべきものであるが、その人間そのものは、技術のための手段にすぎないというものではない。これは1つの倫理判断であり、こうしたいくつかの倫理判断について、多くの人は概ね合意できるかもしれない。しかし、具体的な倫理判断の根拠となるような、究極的、抽象的な倫理原理( 以下、倫理理論ないし倫理学説に読替え可とする。 )に関しては、倫理学上、複数の原理が並び立ってきた。こうした倫理原理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 .
自分や他人が下した直観的倫理的判断を、その根拠にさかのぼって考えることで、批判的に検討することが大切であり、倫理原理は、われわれの直観的判断の再検討などの作業を行うための道具にもなり得る。
2 .
倫理原理に関しては、倫理的行為の目的を「最大多数の最大幸福」の実現に置くか、たとえ社会全体の幸福量が大きくならなくても厳守すべき、もっと重要な「義務」があると考えるか、又は、義務以上の「有徳さ」に注目するか等で、違いが生じる。
3 .
それぞれの倫理原理には長所と短所があり、それぞれの倫理原理は互いに補い合っているように見えるが、「唯一正しい倫理原理が存在すべきである」というのが技術者倫理における共通見解である。
4 .
いわゆる功利主義原理は、行為の動機や人々の有徳さよりも、行為の結果や人々の幸福を重視する原理である。
5 .
功利主義原理については、公共の利益のためには少数の人の不利益は我慢すべきものだと考えられやすいとの指摘が存在する。
( 技術士 第一次試験 平成27年度(2015年) 適性科目 問36 )