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技術士の過去問 平成28年度(2016年) 適性科目 問38

問題

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ISO 31000「リスクマネジメントー原則及び指針」は、2009年11月にリスクマネジメント手法のガイドラインとして発行された。さらに、このISO 31000をもとに技術的内容及び構成を変更することなく日本産業規格JIS Q 31010:2012が2012年4月に発行された。
この規格は、リスクの運用管理のためのプロセスを組織の全体的な統治、戦略及び計画策定、運用管理、報告プロセス、方針、価値観並びに文化の中に統合することを目的とした枠組みを、組織が構築、実践及び継続的に改善することを推奨している。
これらの中で、リスクの定義は下記となり、2002年版のISO/IEC Guide73の定義「事象の発生確率と事象の結果の組合せ」から大きく改訂された。

リスク:諸目的に対する不確かさの影響
注記1  影響とは、期待されていることから良い方向・悪い方向へ逸脱すること
注記2  諸目的とは、例えば、財務、安全衛生、環境、戦略、プロジェクト、製品、プロセスなど様々な到達目標、様々なレベルで規定される
注記3  不確かさとは、事象やその結果、その起こり易さに関する情報、理解、知識などがたとえ一部でも欠けている状態である
注記4  リスクは事象( 周辺環境の変化を含む )の結果とその発生の起こり易さとの組合せによって表現されることが多い
JIS Q 0073:2010( IS0 Guide73:2009 )より引用

この定義から、次のうち、リスクに関連する事柄として最も不適切なものはどれか。
   1 .
ある事象を原因とする結果は、ある目的に対して好ましい影響又は好ましくない影響を与える場合があり、その両者を定義に含めている。
   2 .
組織の目的が明確に設定されなければ組織にとってのリスクが特定できない。
   3 .
ある組織には既知でリスクではないものが、他の組織には不確かでありリスクとなる場合がある。これは、本質的に不確かなものがある一方で、勉強不足や調査不足などにより情報や理解が欠けていることでも不確かさの影響が生まれ、リスクとなる可能性があるという意味である。
   4 .
2002年版の定義「事象の発生確率と事象の結果の組合せ」は、新しい定義から矛盾するので適用できない。
   5 .
広い範囲を定義しているので、各組織の方針、価値観及び文化を踏まえて独自に活用してよい。
※工業標準化法が改正されたことにより、令和元年(2019年)7月1日より、「日本工業規格(JIS)」は「日本産業規格(JIS)」に変わりました。
<参考>
 それに伴い、当設問の問題文中の文言を変更しました。
( 技術士 第一次試験 平成28年度(2016年) 適性科目 問38 )
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この過去問の解説 (3件)

9
正解は4です。ISO31000についての正誤問題です。
各項目については以下の通りです。

1.正しいです。
ISO31000での用語の定義に記載されている内容と等しいです。

2.正しいです。
ISO31000では、リスク特定について以下の記述があります。
「リスク特定の意図は、組織の目的の達成を助ける、
又は妨害する可能性のあるリスクを発見し、認識し、記述することである」
したがって、組織の目的を定め、その後、目的達成を妨げるリスクを
発見することになりますので、正しい内容です。

3.正しいです。
リスクの基準は、組織の価値観、目的や資源を反映したものとなりますので、
正しい内容です。

4.誤りです。
リスクは好ましくないものという見方が重視された定義であったため、
リスクの定義は「事象の発生確率と事象の結果の組み合わせ」から、
「目的に対する不確かさの影響」へ変更されました。
しかし、意味自体はほぼ同様であり、矛盾するとは言えません。

5.正しいです。
IS31000では、
「組織は、枠組みの構成要素を自らの特有のニーズに順応させることが望ましい。」
と記載がありますので、正しい内容です。

したがって、不適切なものは4なので、4が正解です。

付箋メモを残すことが出来ます。
5
ISO 31000「リスクマネジメントー原則及び指針」に関する問題です。
上記指針の内容と照らし合わせ、不適切なものを選択します。
各選択肢の正誤は以下の通りです。

1.適切です
2章用語及び定義の中の、「2.1リスク」の章に記載された内容であり、
正しい記述です。

2.適切です
リスクとは「目的に対する不確かさの影響」と定義されることから、
目的が定まらないとリスクを特定することができません。

3.適切です
不確かさとは、「情報、理解又は知識が、たとえ部分的にでも欠落している状態をいう」とあり、これがリスクに繋がりますので、正しい記述です。

4.不適切です
新しい定義においても「リスクは、ある事象の結果とその発生の起こりやすさとの組合せとして表現されることが多い」とあり、
前回の定義を否定しているわけではありません。

5.適切です
「一般的な指針であり、組織間でリスクマネジメントの画一性を高めることを意図するものではない」とあることから、正しい記述です。

よって、4が正解です。

4

<正解>4

[解説]

JIS Q 0073:2010のリスクに関する正誤の問題です。

1から5の記述内容の正否は以下のとおりとなります。

1 正しい内容です。

ある事象を原因とする結果は、影響のことであり、

影響には「期待されていることから良い方向・悪い方向へ逸脱すること」とされています。

リスクとは、諸目的に対する不確かさの「影響」とされていますので、

リスクには、ある目的に対して好ましい影響又は好ましくない影響の両者がふくまれます。

よって、正しい内容です。

2 正しい内容です。

リスクとは、「諸目的」に対する不確かさの影響とされていますので、

組織の目的が設定されていなければ、

組織にとってのリスクを特定することができません。

よって、正しい内容です。

3 正しい内容です。

「不確かさ」とは、事象やその結果、

その起こり易さに関する情報、理解、知識などが

たとえ一部でも欠けている状態とされています。

組織によって、勉強不足や調査不足により不確かさが生まれ、

リスクになる可能性はあるといえます。

よって、正しい内容です。

4 誤った内容です。

リスクの定義が、

2002年版の定義「事象の発生確率と事象の結果の組合せ」から

「諸目的に対する不確かさの影響」に改訂されましたが、

その内容は、新しい定義と矛盾するものではありません。

よって、誤った内容です。

5 正しい内容です。

日本産業規格JIS Q 31010:2012のもとになった

ISO 31000「リスクマネジメント―原則及び指針」は、

2009年11月にリスクマネジメント手法のガイドラインとして

発行されたものです。

また、リスクは各組織の目的によって異なるため、

各組織の方針、価値観及び文化を踏まえて

独自に活用してよいと考えられます。

よって、正しい内容です。

以上のことから、4が正解となります。

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