<正解>1
[解説]
製作図を作成する際の基本事項に関する記述の正誤の組合せ問題です。
各記述内容の正誤は以下のとおりです。
(ア)誤った記述内容です。
工業製品の高度化や精密化に伴い、
製品の各部品にも高い精度や互換性が要求されています。
そのような状況でも、形状の幾何学的な公差の指示は必要とされています。
なお、JIS製図「公差表示方式の基本原則」では、
「図面には、部品の機能を完全に検査するために
必要な寸法公差及び幾何公差が指示されていなければならない」
とされています。
よって、誤った記述内容です。
(イ)正しい記述内容です。
「寸法記入は、製作工程上、便利であるようにするとともに、
作業現場では、計算しなくても寸法が求められるようにする」
とされています。
よって、正しい記述内容です。
(ウ)正しい記述内容です。
車輪と車軸のように、穴と軸とが相はまり合うような機械の部品の
寸法公差を指示する際には、「はめあい方式」がよく用いられます。
穴と軸の間に必ずすきまが存在する「すきまばめ」と
必ずしめしろが存在する「しまりばめ」、
すきまができることもあり、しめしろができることもある「中間ばめ」の3種があります。
よって、正しい記述内容です。
(エ)誤った記述内容です。
投影法は、理論上、第一角法から第四角法まで考えることができますが、
第二角法と第四角法は、垂直投影面と水平投影面が重なってしまうため、
使用することができない方法ということができます。
そのため、図面は、第一角法又は第三角法で描かれることとなります。
よって、誤った記述内容です。
(オ)正しい記述内容です。
図面の細目事項は、
表題欄、部品欄、あるいは図面明細表
に記入されます。
よって、正しい記述内容です。
これらのことから、
ア:誤 イ:正 ウ:正 エ:誤 オ:正
となります。
これらを踏まえて、各選択肢を検討すると以下のとおりとなります。
1 (ア)から(オ)の全てが合致しているため、
適切な組み合わせとなります。
2 (エ)が正、(オ)が誤となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
3 (ア)が正、(イ)が誤となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
4 (イ)以外は、合致していないため、
不適切な組み合わせとなります。
5 (イ)と(ウ)が誤、(エ)が正となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
よって、1が正解となります。