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技術士の過去問 令和元年度(2019年) 適性科目 問33

問題

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製造物責任( PL )法の目的は、その第1条に記載されており、「製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与する」とされている。次の(ア)~(ク)のうち、「PL法上の損害賠償責任」に該当しないものの数はどれか。

(ア)自動車輸入業者が輸入販売した高級スポーツカーにおいて、その製造工程で造り込まれたブレーキの欠陥により、運転者及び歩行者が怪我をした場合。
(イ)建設会社が造成した宅地において、その不適切な基礎工事により、建設された建物が損壊した場合。
(ウ)住宅メーカーが建築販売した住宅において、それに備え付けられていた電動シャッターの製造時の欠陥により、住民が怪我をした場合。
(エ)食品会社経営の大規模養鶏場から出荷された鶏卵において、それがサルモネラ菌におかされ、食中毒が発生した場合。
(オ)マンションの管理組合が発注したエレベータの保守点検において、その保守業者の作業ミスにより、住民が死亡した場合。
(カ)ロボット製造会社が製造販売した作業用ロボットにおいて、それに組み込まれたソフトウェアの欠陥により暴走し、工場作業者が怪我をした場合。
(キ)電力会社の電力系統において、その変動(周波数等)により、需要家である工場の設備が故障した場合。
(ク)大学ベンチャー企業が国内のある湾内で養殖し、出荷販売した鯛において、その養殖場で汚染した菌により食中毒が発生した場合。
   1 .
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   2 .
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   3 .
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5
   5 .
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( 技術士 第一次試験 令和元年度(2019年) 適性科目 問33 )
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この過去問の解説 (3件)

25

<正解>4

[解説]

製造物責任(PL)法における損害賠償責任に該当しないものの数を回答する問題です。

製造物責任(PL)法において、損害賠償責任に該当する場合は、

製造業者等は、その製造、加工、輸入又は氏名等の表示をした一定の製造物であって、

その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、

これによって生じた損害を賠償する責めに任ずるとされています。

また、「製造物」とは、

「製造又は加工された動産」をいい、

不動産、電気、ソフトウェア、未加工農林畜水産物などは、

この法律の対象にはならないとされています。

これらを踏まえて、問題文に掲げられた(ア)から(ク)が

損害賠償責任に該当するかどうかを検討します。

(ア)該当します。

スポーツカーは、輸入した製造物であり、

それを構成するブレーキの欠陥により、

他人の身体を侵害していますので、

PL法上の損害賠償責任に該当します。

(イ)該当しません。

建物は不動産となりますので、

PL法の対象にはなりません。

(ウ)該当します。

電動シャッターは、製造物であり、

欠陥により、他人の身体を侵害していますので、

PL法上の損害賠償責任に該当します。

(エ)該当しません。

鶏卵は未加工農林畜水産物となりますので、

PL法の対象にはなりません。

(オ)該当しません。

エレベーターの保守点検は、

製造物ではありませんので、

PL法の対象にはなりません。

(カ)該当します。

ソフトウェアそのものは、製造物には該当しませんが、

ソフトウェアが組み込まれた動産は、製造物に該当します。

ソフトウェアの結果により、ロボットが暴走し、

工場作業者が怪我をした場合には、

PL法上の損害賠償責任に該当します。

(キ)該当しません。

電気は、PL法の対象にはなりません。

(ク)該当しません。

鯛は、未加工農林畜水産物となりますので、

PL法の対象にはなりません。

よって、製造物責任(PL)法における損害賠償責任に該当しないものの数は、

(イ)、(エ)、(オ)、(キ)、(ク)の5つとなり、

正解は4となります。

付箋メモを残すことが出来ます。
8

PL法に関する問題は技術士試験では非常によく出されます。PL法のわかりやすい解説は、消費者庁の発出しているサイト

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/other/pl_qa.html

にありますので、こちらも参照しながら考えていきましょう。

特に、

Q1.の答え「この法律は、製造物の欠陥が原因で生命、身体又は財産に損害を被った場合に、被害者が製造業者等に対して損害賠償を求めることができることを規定した法律です。この法律は、不法行為責任(民法第709条)の特則であり、不法行為責任に基づく損害賠償請求の場合には、加害者の過失を立証しなければならないところ、製造物責任については、製造物の欠陥を立証することが求められます。」、

Q3.の答え 「この法律では、製造物を「製造又は加工された動産」と定義しています(本法第2条第1項)。人為的な操作や処理が加えられ、引き渡された動産を対象としており、このため、不動産、電気、ソフトウェア、未加工農林畜水産物などは、この法律の対象にはなりません。」、

およびQ4.の答え「一般に「製造」とは、製品の設計、加工、検査、表示を含む一連の行為として位置付けられ、「原材料に手を加えて新たな物品を作り出すこと」と解されています。また、一般に「加工」とは、「動産を材料としてこれに工作を加え、その本質は保持させつつ新しい属性を付加し、価値を加えること」と解されています。」

が、考えていく上での大きなヒントとなります。

(ア)製造工程で造り込まれたブレーキの欠陥、とありますので、「製造物」であり、その欠陥によって損害を被ったのですから、該当します。

(イ)建物は「不動産」になりますので、PL法の対象にはなりません。建築基準法によって判断されます。

(ウ)電動シャッターは「動産」に区分され、その製造時の欠陥により損害を被ったのですから、該当します。

(エ)鶏卵は「未加工農林畜水産物」に相当しますので、PL法の対象にはなりません。ただし、養鶏場の管理体制などについて、民法上の不法行為による責任が問われる可能性はあります。

(オ)エレベータの保守点検は、「製造」にも「加工」にも相当しませんので、保守点検のミスによる損害は製造者の責任にはなりません。エレベータがある建物の所有者および点検業者が責任を問われることとなります。

(カ)上述Q3. の答えで「ソフトウェアはPL法の対象外」とされていますが、同じくQ5.に対する答えでは、「ソフトウェア自体は無体物であり、この法律の対象とはなりません。ただし、ソフトウェアを組み込んだ製造物についてはこの法律の対象と解される場合があります。ソフトウェアの不具合が原因で、ソフトウェアを組み込んだ製造物による事故が発生した場合、ソフトウェアの不具合がその製造物自体の欠陥と解されることがあり、この場合、その欠陥と損害との間に因果関係が認められるときには、その製造物の製造業者等にこの法律による損害賠償責任が生じます。」とあります。ここでは、ソフトウェアの不具合で、ソフトウェアを組み込んだ製造物(この場合のロボット)の欠陥による損害が生じているので、該当します。

(キ)電気はPL法の対象になりません。

(ク)鯛は「未加工農林畜水産物」に相当しますので、PL法の対象にはなりません。ただし、養殖場の管理体制などについて、民法上の不法行為による責任が問われる可能性はあります。

以上から、「該当しないもの」は、(イ)、(エ)、(オ)、(キ)、(ク)、の5つになりますので、正解選択肢は4.となります。

3
ア 該当します。

イ 建物が人に損害を与えていないため、該当しません。

ウ 該当します。

エ サルモネラ菌が後で侵されたため、該当しません。

オ 事後点検のため製造元には責任がないため、該当しません。

カ 該当します。

キ 製造元には責任がなく運用会社に問題があるため、該当しません。

ク 鯛を加工して提供しているため、該当しません。

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