技術士の過去問 令和元年度(2019年)再試験 基礎科目「解析に関するもの」 問15
この過去問の解説 (3件)
数値解析の実用上の注意に関する問題です。技術士として押さえておくべき基本ポイントが列記されていますので、しっかりと学んでおきましょう。
1. 要素分割を行う際には、各要素の歪みが生じないように、要素の大きさや分割すべき要素の選択などを適切に行う必要があります。
2. 1.にも関連しますが、高次要素を用いて要素分割を行うことで、精度を高められるケースが多々あります。
3. 1.にも関連しますが、要素をやみくもに細分化するのではなく、解の変化が大きい領域など、精度に大きな影響が出る領域を予測して重点的に細分化する、といった手段もよく使われます。
4. 浮動小数点演算の精度を高めれば、結果的に誤差は小さくなります。しかし、その分、計算速度が遅くなる点には注意が必要です。
5. 反復計算において、繰り返しを止めるのが早すぎると、十分な精度が得られないことが多いです。ですから、「反復回数が多い」という理由だけで収束判定条件を緩和することは不適切です。しかし、いつまでも繰り返していたのでは、計算時間が多くかかることになりますし、場合によっては、意味のない計算を延々と繰り返していることもあります。どこまでの精度を求めるのか、計算時間の長さはどこまで許容できるのか、その反復には本当に意味があるのか、なども考え合わせた上で収束判定条件を決定する必要があります。
数値解析に関する問題です。
1.適切です
有限要素解析において、数値解析の精度を向上させるには、要素ができるだけゆがまないように要素分割をする必要があります。
2.適切です
有限要素解析において高次要素を用いて要素分割を行うと、解析精度が向上する場合があります。
3.適切です
有限要素解析において、解の変化が大きい領域を細かく要素分割することは、解析精度の向上につながります。
4.適切です
計算機の浮動小数点を単精度から倍精度に変更することは、丸め誤差を小さくすることができます。
5.不適切です
反復回数が多いからといって、収束条件を緩和すると、十分な精度の解析結果が得られない場合があります。
よって、正解は5です。
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