技術士の過去問 令和元年度(2019年)再試験 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問23
この過去問の解説 (3件)
2.「1 種類のアミノ酸に対して 1 種類のコドンが対応する」ではなく、1 種類のアミノ酸に対していくつものコドンが存在するので誤りです。
3. 正しい
4.「1 種類のアミノ酸に対して 1 種類のコドンに収束」ではなく、1 種類のアミノ酸に対していくつものコドンが存在するので誤りです。
5. コドンは修飾体に使われるものではないので、「44 のコドンがそれらの修飾体に使われる」は誤りです。
よって答えは3です。
正解は3です。 2016年に全く同じ問題が出題されていますので、今後も出ると思われます。
苦手分野な方も覚えておくとよいと思います。
まず、アミノ酸は20種類あるといっているのは、アラニン・アルギニン・アスパラギン…(中略)…セリン、チロリンのことです。
DNA塩基が4つあるといっているのはアデニン(A)チミン(T)グアニン(G)シトシン(C)のことです。
問題文の
===
アミノ酸1個に対してDNAを構成する塩基3つが1組となって1つのコドンを形成して対応し、コドンの並び方、すなわちDNA塩基の並び方がアミノ酸の並び方を規定することにより~~~
===
というのは要するに、DNA塩基4つのうち3つを順番に並べたものがあるアミノ酸に対応するということで、例えばAGCならばセリン、GCAならばアラニン…といった具合です。
問題は、4つの塩基を好きに選んで3つを順番に並べるパターンは64通りあるけど、アミノ酸は20種類しかないのはなぜか?と聞かれています。
各選択肢はざっくりいうと、「1つのアミノ酸に複数のコドン(パターン)が対応している」「アミノ酸以外の修飾体に対応している」「変化の過程で20パターンに収束する」「生物の進化によって使われなくなったコドンがある」「一番目の塩基は役に立たない(AGCならばGCしか意味がない)」とそれぞれ言っています。
正しいのは「1つのアミノ酸に複数のコドン(パターン)が対応している」で、たとえばアラニンにはGCA、GCC、GCG、GCTが対応しています。
バイオテクノロジーに関連する基礎知識は、技術士試験でよく問われますので、しっかりと押さえておきましょう。問題中の「コドン塩基配列」に関しては、生物工学会のホームページhttps://www.sbj.or.jp/pub/pub_hiraku_3.htmlが参考になると思います。
1. コドン塩基配列の3つの塩基が全て揃わないと、タンパク質合成の際には遺伝情報として意味をなしません。したがってこの記述は誤りです。
2. 1種類のアミノ酸に対して1種類のみのコドンが対応する場合もありますが(例:メチオニン)、1種類のアミノ酸に対して複数のコドンが対応する場合もあります。これは、細菌類から人間まで、また古代の生物から現代の生物まで、全ての生物に共通です。したがって、この記述も誤りとなります。
3. 2.で説明したとおり、この記述は正しいです。
4. DNAからRNAに転写される際に配列が変化するのは事実ですが、1種類のアミノ酸に対して1種類のコドンに収束する、ということはありません。これは2.でも説明した通りです。
5. アミノ酸の修飾はコドンでは規定されないので誤りです。
以上、正解選択肢は3.となります。
解説が空白の場合は、広告ブロック機能を無効にしてください。
また、広告右上の×ボタンを押すと広告の設定が変更できます。