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技術士の過去問 令和元年度(2019年)再試験 適性科目 問34

問題

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次に示される事例において、技術士としてふさわしい行動に関する次の( ア )~( オ )の記述について、ふさわしい行動を ○ 、ふさわしくない行動を × として、最も適切な組合せはどれか。

構造設計技術者である技術者Aはあるオフィスビルの設計を担当し、その設計に基づいて工事は完了した。しかし、ビルの入居が終わってから、技術者Aは自分の計算の見落としに気づき、嵐などの厳しい環境の変化によってそのビルが崩壊する可能性があることを認識した。そのような事態になれば、オフィスの従業員や周辺住民など何千人もの人を危険にさらすことになる。そこで技術者Aは依頼人にその問題を報告した。
依頼人は市の担当技術者Bと相談した結果、3 ヶ月程度の期間がかかる改修工事を実施することにした。工事が完了するまでの期間、嵐に対する監視通報システムと、ビルを利用するオフィスの従業員や周辺住民に対する不測の事故発生時の退避計画が作成された。技術者Aの観点から見ても、この工事を行えば構造上の不安を完全に払拭することができるし、退避計画も十分に実現可能なものであった。
しかし、依頼人は、改修工事の事実をオフィスの従業員や周辺住民に知らせることでパニックが起こることを懸念し、改修工事の事実は公表しないで、ビルに人がいない時間帯に工事を行うことを強く主張した。

( ア )業務に関連する情報を依頼主の同意なしに開示することはできないので、技術者Aは改修工事の事実を公表しないという依頼主の主張に従った。
( イ )公衆の安全、健康、及び福利を守ることを最優先すべきだと考え、技術者Aは依頼人の説得を試みた。
( ウ )パニックが原因で公衆の福利が損なわれることを懸念し、技術者Bは改修工事の事実を公表しないという依頼主の主張に従った。
( エ )公衆の安全、健康、及び福利を守ることを最優先すべきだと考え、技術者Bは依頼人の説得を試みた。
( オ )オフィスの従業員や周辺住民の「知る権利」を重視し、技術者Bは依頼人の説得を試みた。
   1 .
ア: ×  イ: ○  ウ: ×   エ: ○  オ: ○
   2 .
ア: ○  イ: ×  ウ: ○   エ: ×  オ: ○
   3 .
ア: ○  イ: ○  ウ: ×   エ: ○  オ: ×
   4 .
ア: ×  イ: ×   ウ: ○  エ: ○  オ: ○
   5 .
ア: ○  イ: ○  ウ: ×   エ: ×  オ: ○
( 技術士 第一次試験 令和元年度(2019年)再試験 適性科目 問34 )
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この過去問の解説 (3件)

5
ア.事実を公表しないことで、安全性が損なわれる恐れがあるので誤りです。

イ.正しい

ウ.事実を公表しないことで、安全性が損なわれる恐れがあるので誤りです。

エ.正しい

オ.正しい

よって答えは1です。

付箋メモを残すことが出来ます。
1

<正解>1

[解説]

技術士としての行動に関する正誤の組合せ問題です。

(ア)から(オ)の記述内容が技術士としての行動として

ふさわしいかどうかは、以下のとおりとなります。

(ア)ふさわしくない。

技術士等は、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう

努めなければならないとされています。

改修工事が完了するまでは、監視通報システムの運用と退避計画の作成は、

当然必要なものと考えられます。

それらの対策をおこなったとしても公共の安全等を確保するためには、

改修工事の事実を公表することが求められます。

よって、改修工事の事実を公表しないという依頼主の主張に

従うことはふさわしくない行動です。

(イ)ふさわしい。

依頼者の主張と公共の安全等は利害が相反することもあります。

そのような場合、技術士として、公共の安全等を確保するために

依頼者を説得することはふさわしい行動です。

(ウ)ふさわしくない。

BについてもAと同様、

改修工事の事実を公表しないという依頼者の主張に従うことは、

技術士としてふさわしくない行動です。

(エ)ふさわしい。

BについてもAと同様、

依頼者の主張と公共の安全等は利害が相反する場合には、

技術士として、公共の安全等を確保するために

依頼者を説得することはふさわしい行動です。

(オ)ふさわしい。

BについてもAと同様、

技術士として、公共の安全等を確保するために

依頼者を説得することはふさわしい行動です。

これらを踏まえて、各選択肢を検討すると以下のとおりとなります。

1 (ア)から(オ)の全てが合致しているため、

適切な組み合わせとなります。

2 (ア)から(オ)の全てが合致していないため、

不適切な組み合わせとなります。

3 (ア)が〇となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

4 (イ)が×、(ウ)が〇となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

5 (ア)が〇、(エ)が×となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

よって、1が正解となります。

1

業務上起こりうるミスの発見とそれに起因する様々な損害の予測、そしてその損害を防ぐための対処能力も、技術士にとって必須の資質です。このような問題も近年ではよく出題されますので、問題文と選択肢をしっかりと読み込んで、丁寧に答えていきましょう。ポイントは、「安全は全てに優先する」という原則論です。

(ア)依頼者が不安に思う気持ちはもっともなのですが、あくまで安全が最優先ですので、対策を進めると同時に、正確な情報を伝え、オフィス従業員や周辺住民の不安を払拭するように努力する、と説得することが大切です。

※この問題文中では賠償責任についての議論がなされていませんが、そもそも、ミスをしてこのような問題を引き起こしたのは技術者Aの側であることから、たとえ改修工事を行ったとしてもオフィス従業員や周辺住民の不安が払拭できず、たとえば入居者が退去して損失が出たような場合は、依頼人は当然、その賠償責任を技術者Aやその所属組織に問うことができます。ですから、賠償責任はこちらが負う、ということも伝えながら説得が必要になるかも知れません。もちろん、そのような責任問題に発展するから、と、技術者Aがミスを隠蔽することはあってはならない話です。

(イ)安全を最優先する行動として正しいです。

(ウ)パニックが原因で公衆の福利が失われる可能性はたしかにありますが、それよりも公衆の安全が優先ですので、福利ができるだけ失われないような方策を用意しつつ、説得にあたるべきです。

(エ)安全を最優先する行動として正しいです。

(オ)あくまでも、関係者の安全第一で説得すべきですが、説得する手段として「知る権利」を前面に出すのも効果的ですね。

以上、正解選択肢は1.となります。

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