問題
こうした状況の中、情報通信技術の進展等の時代の変化に対応した著作物の利用の円滑化を図るため、「柔軟な権利制限規定」の整備についての検討が文化審議会著作権分科会においてなされ、平成31年1月1日に、改正された著作権法が施行された。
著作権法第30条の4(著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)では、著作物は、技術の開発等のための試験の用に供する場合、情報解析の用に供する場合、人の知覚による認識を伴うことなく電子計算機による情報処理の過程における利用等に供する場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、利用することができるとされた。具体的な事例として、次の( ア )~( カ )のうち、上記に該当するものの数はどれか。
( ア )人工知能の開発に関し人工知能が学習するためのデータの収集行為、人工知能の開発を行う第三者への学習用データの提供行為
( イ )プログラムの著作物のリバース・エンジニアリング
( ウ )美術品の複製に適したカメラやプリンターを開発するために美術品を試験的に複製する行為や複製に適した和紙を開発するために美術品を試験的に複製する行為
( エ )日本語の表記の在り方に関する研究の過程においてある単語の送り仮名等の表記の方法の変遷を調査するために、特定の単語の表記の仕方に着目した研究の素材として著作物を複製する行為
( オ )特定の場所を撮影した写真などの著作物から当該場所の 3DCG 映像を作成するために著作物を複製する行為
( カ )書籍や資料などの全文をキーワード検索して、キーワードが用いられている書籍や資料のタイトルや著者名・作成者名などの検索結果を表示するために書籍や資料などを複製する行為