過去問.com - 資格試験の過去問 | 予想問題の解説つき無料問題集

技術士の過去問 令和元年度(2019年)再試験 適性科目 問42

問題

このページは問題閲覧ページです。正解率や解答履歴を残すには、 「条件を設定して出題する」をご利用ください。
[ 設定等 ]
技術者にとって安全確保は重要な使命の一つである。2014年に国際安全規格「 ISO / IEC Guide51 」( JIS Z8051 : 2015 )が改定されたが、これは機械系や電気系の各規格に安全を導入するためのガイド(指針)を示すものである。日本においては各 ISO / IEC 規格の JIS 化版に伴い必然的にその内容は反映されているが、規制法令である労働安全衛生法にも、その考え方が導入されている。国際安全規格の「安全」に関する次の( ア )~( オ )の記述について、不適切なものの数はどれか。

( ア )「安全」とは、絶対安全を意味するものではなく、「リスク」(危害の発生確率及びその危害の度合いの組合せ)という数量概念を用いて、許容不可能な「リスク」がないことをもって、「安全」と規定している。この「安全」を達成するために、リスクアセスメント及びリスク低減の反復プロセスが必要である。
( イ )リスクアセスメントのプロセスでは、製品によって、危害を受けやすい状態にある消費者、その他の者を含め、製品又はシステムにとって被害を受けそうな「使用者」、及び「意図する使用及び合理的予見可能な誤使用」を同定し、さらにハザードを同定する。そのハザードから影響を受ける使用者グループへの「リスク」がどれくらい大きいか見積もり、リスクの評価をする。
( ウ )リスク低減プロセスでは、リスクアセスメントでのリスクが許容可能でない場合、リスク低減策を検討する。そして、再度、リスクを見積もり、リスクの評価を実施し、その「残留リスク」が許容可能なレベルまで反復する。許容可能と評価した最終的な「残留リスク」は妥当性を確認し文書化する。
( エ )リスク低減方策には、設計段階における方策と使用段階における方策がある。設計段階では、本質安全設計、ガード及び保護装置、最終使用者のための使用上の情報の 3 方策がある。この方策には優先順位付けはなく、本質的安全設計方策の検討を省略して、安全防護策や使用上の情報を方策として検討し採用することができる。
( オ )リスク評価の考え方として、「 ALARP の原則」がある。ALARP とは、「合理的に実効可能なリスク低減方策を講じてリスクを低減する」という意味であり、リスク軽減を更に行なうことが実際的に不可能な場合、又は費用と比べて改善効果が甚だしく不釣合いな場合だけ、リスクが許容可能となる。
   1 .
0
   2 .
1
   3 .
2
   4 .
3
   5 .
4
( 技術士 第一次試験 令和元年度(2019年)再試験 適性科目 問42 )
このページは問題閲覧ページの為、解答履歴が残りません。
解答履歴を残すには、
条件を設定して出題する」をご利用ください。

この過去問の解説 (3件)

11

<正解>2

[解説]

国際安全規格の「安全」に関する不適切なものの個数問題です。

(ア)から(オ)は、以下のとおりとなります。

(ア)適切な記述です。

JIS Z8051の記述より

「安全」とは、絶対安全を意味するものではなく、

「リスク」(危害の発生確率及びその危害の度合いの組合せ)という数量概念を用いて、

許容不可能な「リスク」がないことをもって、

「安全」と規定しています。

この「安全」を達成するために、

リスクアセスメント及びリスク低減の反復プロセスが必要となります。

よって、適切な記述です。

(イ)適切な記述です。

JIS Z8051の記述より

リスクアセスメントのプロセスは、

製品によって、危害を受けやすい状態にある消費者、その他の者を含め、

製品又はシステムにとって被害を受けそうな「使用者」、

及び「意図する使用及び合理的予見可能な誤使用」を同定し、

さらにハザードを同定します。

そのハザードから影響を受ける使用者グループへの「リスク」が

どれくらい大きいか見積もり、リスクの評価をします。

よって、適切な記述です。

(ウ)適切な記述です。

JIS Z8051の記述より

リスク低減プロセスでは、

リスクアセスメントでのリスクが許容可能でない場合、

リスク低減策を検討します。

そして、再度、リスクを見積もり、リスクの評価を実施し、

その「残留リスク」が許容可能なレベルまでこれを反復します。

許容可能と評価した最終的な「残留リスク」は、

妥当性を確認した上で文書化します。

よって、適切な記述です。

(エ)不適切な記述です。

JIS Z8051の記述より

リスク低減方策には、設計段階における方策と使用段階における方策があります。

設計段階の方策では、

1)本質安全設計

2)ガード及び保護装置

3)最終使用者のための使用上の情報

の3方策があります。

これらの方策は、1)→2)→3)の優先順位があります、

よって、「この方策には優先順位付けはなく、

本質的安全設計方策の検討を省略して、

安全防護策や使用上の情報を方策として検討し採用することができる。」

との記述は不適切です。

(オ)適切な記述です。

リスク評価の考え方には、「 ALARP の原則」というものがあります。

ALARP とは、

「合理的に実効可能なリスク低減方策を講じてリスクを低減する」という意味であり、

リスク軽減を更に行なうことが実際的に不可能な場合、

又は費用と比べて改善効果が甚だしく不釣合いな場合だけ、

リスクが許容可能となるという考え方です。

よって、適切な記述です。

これらのことから、

(ア)から(オ)で不適切なものは、1個となり、

2が正解となります。

付箋メモを残すことが出来ます。
4
ア.正しい

イ.正しい

ウ.正しい

エ.方策には優先順位があり、本質安全が優先されるため、誤りです。

オ.正しい

よって不適切な項目は1つありますので、答えは2です。

2

ISOなど、安全に関する国際規格についての問題は、技術士試験でよく出題されます。JISについては、日本産業標準調査会のサイト https://www.jisc.go.jp/index.html より、会員登録(無料)をすることで閲覧できますので、ここから最新の情報を確認しておくようにしましょう。

(ア) JIS Z8051の記述より、適切です。

(イ) JIS Z8051の記述より、適切です。

(ウ) JIS Z8051の記述より、適切です。

(エ) JIS Z8051によると、設計段階3方策のうち、本質安全設計、ガード及び保護装置、最終使用者のための使用上の情報、の順で優先順位が着けられています。したがって、この記述は不適切です。

(オ) ALARPについては、たとえば経産省発出の https://www.meti.go.jp/product_safety/recall/risk_assessment_practice.pdf の14~15ページなどに記載されています。それによるとこの記述は適切です。

以上、不適切なものは1つですので、正解選択肢は2.となります。

問題に解答すると、解説が表示されます。
解説が空白の場合は、広告ブロック機能を無効にしてください。
他のページから戻ってきた時、過去問ドットコムはいつでも続きから始めることが出来ます。
また、広告右上の×ボタンを押すと広告の設定が変更できます。
この技術士 過去問のURLは  です。
付箋は自分だけが見れます(非公開です)。