問題
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次の文章の空欄(ア)〜(エ)に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。
行政救済制度としては、違法な行政行為の効力を争いその取消し等を求めるものとして行政上の不服申立手続及び抗告訴訟があり、違法な公権力の行使の結果生じた損害をてん補するものとして・・・(ア)請求がある。両者はその目的・要件・効果を異にしており、別個独立の手段として、あいまって行政救済を完全なものとしていると理解することができる。後者は、憲法17条を淵源とする制度であって歴史的意義を有し、被害者を実効的に救済する機能のみならず制裁的機能及び将来の違法行為を抑止するという機能を有している。このように公務員の不法行為について国又は公共団体が・・・責任を負うという憲法上の原則及び(ア)請求が果たすべき機能をも考えると、違法な行政処分により被った損害について(ア)請求をするに際しては、あらかじめ当該行政処分についての取消し又は(イ)確認の判決を得なければならないものではないというべきである。この理は、金銭の徴収や給付を目的とする行政処分についても同じであって、これらについてのみ、法律関係を早期に安定させる利益を優先させなければならないという理由はない。原審は、・・・固定資産税等の賦課決定のような行政処分については、過納金相当額を損害とする(ア)請求を許容すると、実質的に(ウ)の取消訴訟と同一の効果を生じさせることとなって、(ウ)等の不服申立方法・期間を制限した趣旨を潜脱することになり、(ウ)の(エ)をも否定することになる等として、(ウ)に(イ)原因がない場合は、それが適法に取り消されない限り、(ア)請求をすることは許されないとしている。しかしながら、効果を同じくするのは(ウ)が金銭の徴収を目的とする行政処分であるからにすぎず、(ウ)の(エ)と整合させるために法律上の根拠なくそのように異なった取扱いをすることは、相当でないと思われる。
(最一小判平成22年6月3日民集64巻4号1010頁・裁判官宮川光治の補足意見)
行政救済制度としては、違法な行政行為の効力を争いその取消し等を求めるものとして行政上の不服申立手続及び抗告訴訟があり、違法な公権力の行使の結果生じた損害をてん補するものとして・・・(ア)請求がある。両者はその目的・要件・効果を異にしており、別個独立の手段として、あいまって行政救済を完全なものとしていると理解することができる。後者は、憲法17条を淵源とする制度であって歴史的意義を有し、被害者を実効的に救済する機能のみならず制裁的機能及び将来の違法行為を抑止するという機能を有している。このように公務員の不法行為について国又は公共団体が・・・責任を負うという憲法上の原則及び(ア)請求が果たすべき機能をも考えると、違法な行政処分により被った損害について(ア)請求をするに際しては、あらかじめ当該行政処分についての取消し又は(イ)確認の判決を得なければならないものではないというべきである。この理は、金銭の徴収や給付を目的とする行政処分についても同じであって、これらについてのみ、法律関係を早期に安定させる利益を優先させなければならないという理由はない。原審は、・・・固定資産税等の賦課決定のような行政処分については、過納金相当額を損害とする(ア)請求を許容すると、実質的に(ウ)の取消訴訟と同一の効果を生じさせることとなって、(ウ)等の不服申立方法・期間を制限した趣旨を潜脱することになり、(ウ)の(エ)をも否定することになる等として、(ウ)に(イ)原因がない場合は、それが適法に取り消されない限り、(ア)請求をすることは許されないとしている。しかしながら、効果を同じくするのは(ウ)が金銭の徴収を目的とする行政処分であるからにすぎず、(ウ)の(エ)と整合させるために法律上の根拠なくそのように異なった取扱いをすることは、相当でないと思われる。
(最一小判平成22年6月3日民集64巻4号1010頁・裁判官宮川光治の補足意見)
1 .
(ア)損失補償 (イ)不当 (ウ)授益処分 (エ)執行力
2 .
(ア)強制徴収 (イ)支払 (ウ)通知 (エ)既判力
3 .
(ア)国家賠償 (イ)無効 (ウ)課税処分 (エ)公定力
4 .
(ア)住民監査 (イ)撤回 (ウ)差止 (エ)不可変更力
5 .
(ア)国家賠償 (イ)不当 (ウ)課税処分 (エ)執行力
( 行政書士試験 平成29年度 一般知識等 問43 )