1.妊娠高血圧症候群は、
〇妊娠20週~分娩後12週の間に発症
(それ以前、以後の発症はもともと高血圧等の異常があったと考えられる)
〇高血圧・たんぱく尿
(たんぱく尿のみでは妊娠高血圧症候群とは診断されない。また、旧称の妊娠中毒症では診断基準に浮腫が入っていたが、改称後は含まれていない)
この二点を基準として診断されます。
2.子癇とは、妊娠高血圧症候群によって引き起こされる症状の一つです。妊娠末期に多く、けいれんや意識消失などが起こり、死に至ることもあります。妊娠高血圧症候群のコントロールが予防のために重要です。
3.妊娠糖尿病のコントロール不良で母体が高血糖となった場合、胎盤を通過してグルコースが母体に移行し、巨大児の原因となります。
母体の糖尿病が原因となる巨大児は4000g以上となり出産が困難になるほか、各種臓器の腫大が認められます。出生後は呼吸障害、低血糖、低カルシウム血症、多血症、高ビリルビン血症(新生児黄疸)、心不全症状などが現れる危険性があります。
4.新生児メレナは、ビタミンKの不足による新生児の消化管出血です。
新生児ではビタミンKが不足していることがほとんどです。現在は産院において、生後一週間と一か月健診時にビタミンKシロップを投与するため予防できます。
血液型不適合妊娠とは母体と胎児の血液型が異なり、かつ母体に胎児の赤血球に対する抗体ができてしまった状態をいいます。
母体中の抗体が胎児に移行してしまうと胎児の赤血球は破壊されてしまい、黄疸、貧血となり、重篤な場合は後遺症が残ったり死亡します。
交換輸血や抗グロブリン薬の投与などで治療します。
5.神経管閉鎖障害の予防には、妊娠前~妊娠初期の葉酸摂取が有効です。