◎慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性気管支炎(気管支壁の慢性炎症により喀痰や咳を慢性的にあるいは反復的に呈する疾患)と肺気腫(終末細気管支や肺胞壁の断裂により、終末細気管支から肺胞の内腔が異常に拡張した形態学的状態を示す疾患)を合わせて慢性閉塞性肺疾患とよびます。
1. 動脈血酸素分圧(PaO2)は低下し、高炭酸ガス血症を呈するので誤となります。
2. 肺の過膨張は肺気腫でみられるので正となります。じゅうぶんに息が吐き出せず、肺が過膨張となって、酸素と二酸化炭素の入れ替えがうまくできなくなり、軽い運動でもすぐに息切れするような状態になります。
3. 発熱や呼吸困難などによって、消費エネルギー量は高くなるので誤となります。安静時エネルギー量は増加するので低栄養状態になりやすく、エネルギーやたんぱく質、ビタミンB1,Cなどの栄養管理が必要となります。
4. 十分な換気ができないことにより呼吸筋のエネルギー消費が増し、呼吸筋力が低下します。これにより安静時代謝の亢進や筋たんぱく質の崩壊が進み全身の筋肉量は低下します。よって誤となります。
5. 肺胞での酸素と二酸化炭素の交換がうまく行えないため、二酸化炭素の排泄量が減少し、血中二酸化炭素分圧は上昇します。よって誤となります。
よって正解は、2. となります。