1. 閉塞性肺障害では1秒率は低下します。1秒率とは肺機能を調べる指標で、胸いっぱいに息を吸い込んで一気に吐き出した空気量のうち、最初の1秒間に吐き出した量の割合を示したものです。基準値は70%以上であり、閉塞性肺疾患になると、その数値は低下します。
2.ASTはALTより肝特異性が低いです。ASTは心筋、肝臓、骨格筋、腎臓の順に発現量が高く、ASTの上昇は肝疾患の他にも心筋炎、肺梗塞、腎梗塞、筋ジストロフィーなどでもみられます。一方、ALTは肝臓、心筋、骨格筋の順に発現が高いですが、肝臓での発現が特に高いため、ALTはASTより肝特異性が高いと考えられています。
3. 鉄欠乏性貧血では、平均赤血球容積(MCV)が低値を示します。鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が不足することにより、じゅうぶんにヘモグロビンを産生できないため生じる貧血です。ヘモグロビンがじゅうぶん産生されないため、赤血球も小さくなります。
4. 溶血性貧血による高ビリルビン血症では、間接ビリルビンが優位になります。ビリルビンは赤血球が破壊された時に産生されます。この時に産生されたビリルビンを間接ビリルビンといいます。間接ビリルビンは肝臓においてグルクロン酸抱合を受け、直接ビリルビンとなった後、排泄されます。
溶血性貧血は赤血球が過剰に壊されることによって起こる貧血のため、間接ビリルビンが優位になります。
5. 正解です。抗核抗体は、自身の細胞内の核内に含まれる抗原物質に対する自己抗体の総称です。膠原病が疑われた場合のスクリーニング検査として利用されます。この検査で陽性の場合、どの種類の抗核抗体が陽性なのかを調べる検査を行います。