1級建築施工管理技士の過去問 令和3年(2021年) 午前 問8
この過去問の解説 (2件)
断面二次モーメントとは、材料の曲げにくさの事です。
長方形の幅を[b]、高さを[h]とすると断面二次モーメントIは「I=b×hの3乗/12」と
なります。
図形を引き算しましょう。4a×6aの3乗/12=72aの4乗
3a×4aの3乗/12=16aの4乗
72aの4乗ー16aの4乗=56aの4乗
難しそうな形も図形を良く見て、簡単にできないか考えてみましょう。
断面二次モーメントと聞くと難しい構造計算のように思う人もいるでしょうが、
覚えなければならない公式は一つだけです。
図心を通る軸の「断面二次モーメント=bh3/12」だけ覚えましょう。
X軸まわりとY軸まわりを別に覚える必要はありません。
どっちが3乗だったか間違える可能性がありますから、
bは軸に水平な部材の長さ(横)、hは軸に垂直な部材の長さ(縦)と覚えれば、
X軸もY軸も同じです。
図面を90°回転させればX軸とY軸は同じ式で計算できると分かります。
また、H形鋼やL形鋼のように断面に欠損(空間)がある場合は、
全体の断面二次モーメントから欠け部分の断面二次モーメントを差引きして計算します。
問題の断面二次モーメントは全体の長方形の断面二次モーメントから欠けている部分の断面二次モーメントを引けば出てきます。
公式は「bh3/12」です。
①全体の長方形の断面二次モーメントを求めます。
b=4a、h=6aです ☞ 断面二次モーメント=4a*(6a)3/12=72a3
②欠けている部分の断面二次モーメントを求めます。
b=3a、h=4aです。☞ 断面二次モーメント=3a*(4a)3/12=16a3
求める断面二次モーメント=①-②=56a3
図心を通る軸の断面二次モーメントはX軸、Y軸で区別して覚えないこと。
試験では軸に対称な断面しか出題されないので、
断面二次モーメント=bh3/12だけ覚えればよいです。
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