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公立学校教員の過去問 平成28年度(H29年度採用) 共通問題 問13

問題

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次の記述ア~エのうち、発達障害のある児童・生徒への指導内容として「生徒指導提要」(文部科学省平成22年3月)の「児童生徒の心理と児童生徒理解」の「発達障害の理解」に示された内容に照らして正しいものを選んだ組合せとして最も適切なものは、下のうちではどれか。

ア  中学校第1学年の担任であるA教諭は、保護者から「自分の子供は、小学校3年生の時に、アスペルガー症候群であると診断された」と告げられた。A教諭は、この生徒は、経験の中から文脈を理解し、場面状況を把握することが苦手であると分かっていたが、アスペルガー症候群は、知的発達の遅れや言葉の発達の遅れを伴うものではないので、自分の力だけで場面状況を把握させ、行動するよう指導を行っていくこととした。
イ  小学校第5学年の担任であるB教諭の学級には、発表はできるのに簡単な文章が書けないことで、自信や意欲を失いかけている児童がいる。B教諭は、この児童が苦手なことを無理強いさせられたり、失敗経験を積み重ねたりすることのないように、得意なことやできていることを認めていき、自尊感情や自己肯定感を高めることができるような指導を行っていくこととした。
ウ   中学校第3学年の担任であるC教諭の学級には、不注意な誤りや早合点が多く、落ち着いて考えればできることでも、あわてて取り組んでしまうため、なかなか良い結果が出ない生徒がいる。C教諭は、この生徒には、全体ができていなくても、部分的でも本人が努力していることを認めることができる環境を整備することが大切であると考え、その生徒の「生活ノート」に毎日、その日の良かったことを書いて伝えることとした。
エ   高等学校第1学年の担任であるD教諭の学級には、突然の予定変更が苦手な生徒がいる。D教諭は、何をすればよいか具体的に指示をしたり、予定変更の可能性がある場合にあらかじめ伝えたりすることは、社会における基本的なスキルの習得を妨げることにつながると考え、その生徒に対して、「常に自分で先の見通しをもって行動すること、分からないことがあったら自分から質問すること」と指導した。
   1 .
ア・イ
   2 .
ア・エ
   3 .
イ・ウ
   4 .
イ・エ
   5 .
ウ・エ
( 公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成28年度(H29年度採用) 共通問題 問13 )
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この過去問の解説 (3件)

7
正解は3です。

ア:誤り
「発達障害は成長に伴いそれらの特性が変容する」場合が少なくないため、小学校3年生のときに、アスペルガー症候群と診断されていたとしても、知的発達の遅れや言葉の発達の遅れを伴うものではないとは限らないため児童生徒一人一人の実態を的確に把握し、特性を理解することが大切です。

イ:正しい
実態把握から特性に応じた対応として、児童生徒の自尊感情や自己肯定感を高めることが大切です。
そのため、「得意なことやできていることを認めていく」という関わり方は、発達障害をもった生徒への対応として適切であるといえます。

ウ:正しい
全体ができていなくても、部分的でも本人が努力していることを認めるていくことで児童生徒の自尊感情や自己肯定感を高めることにつながります。
そのため、この「生活ノート」を元にしたC教諭の取り組みは、発達障害をもった生徒への対応として適切であるといえます。

エ:誤り
発達障害は見えにくい障害とも言われています。そのため発達障害によるつまずきや困難というよりも、「わがまま」や「努力不足」「やる気がない」等の問題であると受け止められがちです。
よって、突然の予定変更が苦手な生徒は自閉症などの発達障害のある生徒かもしれません。「常に自分で先の見通しをもって行動すること、分からないことがあったら自分から質問すること」と指導する一方で、それが無理強いするような強引な対応にならないように気をつける必要があります。また、「何をすればよいか具体的に指示をしたり、予定変更の可能性がある場合にあらかじめ伝えたりすることは、社会における基本的なスキルの習得を妨げることにつながると考え」という点は誤りです。生徒指導提要に「自閉症のある児童生徒に対する配慮として気を付けたいことは、先の見通しが持てないことへの不安感がとても大きい」ということがあるように、生徒の不安が解消されるように支援を行う必要があります。

付箋メモを残すことが出来ます。
4
正答は3です。

ア:診断もあり、教諭自身も経験から「文脈を理解し、場面状況を把握することが苦手であると分かっていた」のに、「自分の力だけで場面状況を把握させ、行動するよう指導」は適切な指導とは言えないため誤りです。

イ:特に発達障害の生徒は失敗の積み重ねにより自己肯定感が低いことがあります。得意なことや出来ること認めていき、成功体験を積ませて自己肯定感を高めることは正しいです。

ウ:全体ができていなくても、本人が努力していることを認め成功体験を積ませることは、本人のモチベーションアップにもつながり、次の成功にもつながりやすいため、「生活ノート」で本人の積み重ねを可視化した点は、生徒本人にも分かりやすく自覚できて良いです。

エ:発達障害の生徒は自分がどこでつまづいているのか自覚できない場合も多く、「先の見通しをもって行動すること、分からないことがあったら自分から質問すること」を理解できないこともあります。教師が生徒のこういった特性に気づいた場合には、生徒が先の見通しを持てるように、スケジュールをきちんと伝え、順序立てて説明することで、生徒自身が「ではどうするか」と考えられよう手助けしなくてはなりません。

3
正答は3(イ・ウ)です。

ア:アスペルガー症候群は、「知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症の特徴(他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害)のうち言葉の発達の遅れを伴わないものである」と定義されています。
問題文で示されているようにコミュニケーションに障害があることが特徴的にみられます。自分の力だけで場面状況を把握させることは困難であるため、アの指導内容は誤りです。
生徒指導提要では、アスペルガー症候群の児童生徒に対して、「場面や状況ごとに言葉かけや対処の仕方について具体的に教えていくことがとても重要」であることを説明しています。

イ:この事例の児童は、LD(学習障害)である可能性が考えられます。「基本的には全般的な知的発達に遅れはありませんが、聞く・話す・読む・書く・計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである」と定義されています。
問題文で示されているように、他の児童には簡単にできることがLDを持つ児童には困難なために自分に自信を持てなくなってしまうということは、LDによくみられます。そのような場合には、事例のように自尊感情や自己肯定感を高める支援が効果的であるため、イは正解です。

ウ:この事例の生徒は、ADHD(注意欠陥多動性障害)である可能性が考えられます。「年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動
性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである」と定義されています。
このような生徒に対しては、事例のようにできている部分を評価することが効果的であるため、ウは正解です。

エ:この事例の生徒は、自閉症(知的発達に遅れがなければ高機能自閉症)である可能性が考えられます。「突然の予定変更が苦手」というのは自閉症によくみられる特徴です。支援なしに自分で見通しをもって行動することは困難であるため、エの指導内容は誤りです。
生徒指導提要では、自閉症の児童生徒に対して、「先の見通しを持たせる、何をすればよいか具体的に指示する、予定変更の可能性がある場合にはあらかじめ伝えておくなどの対応が大切」であることを説明しています。

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