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公立学校教員の過去問 平成28年度(H29年度採用) 共通問題 問19

問題

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心理学の研究に携わった人物に関する記述として適切なものは、次のうちのどれか。
   1 .
バンデューラは、人間の行動の形成、変容、発達に、社会的諸条件が果たしている役割を重視し、社会的学習理論を提唱した。社会的学習理論は、模倣による学習よりも、外的直接的強化による意図的学習を重視している。また、人間がボボ人形に暴力を働いている映像を見た子供は、人間がボボ人形に愛情をもって接している様子を見た子供よりも、ボボ人形に対して攻撃的になることを明らかにした。
   2 .
ケーラーは、チンパンジーの問題解決過程を研究した。チンパンジーが二つの棒を組み合わせてバナナを引き寄せたり、高い所に吊り下げられたバナナを取るのに離れた場所にある箱を運んできたりするなど、道具の製作や使用というべき行動を観察した。このような課題解決行動は、その場の手段と目標の関係が洞察されているのではなく、過去の偶然の成功により試行錯誤的になされることを示しているとした。
   3 .
ブルーナーは、広く認知過程一般の研究に目を向け、概念達成の方略、認知の発達の研究等で成果を挙げた。スキャフォールディングという考え方を基盤として、文化的発達は大人と子供が共同で行う精神間機能から、子供が一人で行う精神内機能へと進むという考え方を教授や学習と発達に当てはめた「発達の最近接領域」という概念を提唱した。また、認知論的心理学の知見を科学教育の中に活用しようと努めた。
   4 .
ユングは、意識と無意識、内向性と外向性など、対立する要素をもち合わせる性格の多面性が強調される分析心理学の理論を構築した。この理論は、生活様式により、理論型、経済型、審美型、権力型、宗教型、社会型の六つの類型に分けられている。また、人の心には意識的な在り方の偏りを正して、心の全体性を実現しようという働きがあると考え、それを個性化の過程と呼んだ。
   5 .
スキナーは、環境により強化された行動は次第に発生頻度が増加し、環境により弱化された行動は次第に発生頻度が減少するといった、周囲の環境条件が生物の行動を決定するという考えに基づく「オペラント条件付け」の組織的な研究を行った。レバーを押すと給餌される仕掛けを備えた実験装置を使って、ラットやハトの行動形成過程である強化のスケジュールの詳細な研究を進めた。
( 公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成28年度(H29年度採用) 共通問題 問19 )
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この過去問の解説 (3件)

8
正答は 5 です。

1 バンデューラは社会的学習理論を提唱していますが、内容が誤りです。社会的学習理論とは学習者が直接経験しなくとも、他人の行動の観察学習やモデリング(模倣)することで学習は成り立つという考え方です。

2 ケーラーはゲシュタルト心理学者で、チンパンジーの実験から洞察学習を提唱しました。誤りは、試行錯誤的という部分で、問題解決は洞察学習、つまり諸情報の統合によるとしました。試行錯誤を提唱したのはソーンダイクです。

3 ブルーナーは認知心理学で、発見学習を提唱しました。誤りは、スキャフォールディング及び発達の最近接領域を提唱したのはブルーナーではなくヴィゴツキーです。

4 ユングは分析心理学者です。内向ー外向や意識ー無意識という部分は正しいですが、6つの類型はユングではありません。6つの類型はシュプランガーが提唱したもので、人がどこに文化的価値を置いているかを6つに分類したものです。

5 問題の通り、スキナーは分析行動学者です。強化理論を提唱しました。行動強化のために強化理論を用いるオペラント条件付けも重要な内容です。

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4
正答は5です。

1:バンデューラが提唱した社会的学習理論は、「模倣による学習で新しい行動を獲得する」というものです。「ボボ人形」の実験では、人形に暴力的な行動をする大人の姿を見た子どもが、人形に暴力的になるという内容でした。自ら直接経験しなくとも、他人の行動の観察学習やモデリング(模倣)で学習が成り立つという考え方です。

またバンデューラは、自己効力感(セルフ・エフィカシー)という言葉も提唱しています。「自分は出来るはずだ!」と自分に自身を持つ事で、積極的に努力でき、結果的に目標を達成しやすくなるというものです。合わせて覚えておきましょう。

2:ケーラーの実験においてチンパンジーは、どのようにすればバナナを手に入れられるのかを考た上で、バナナ獲得の手順をこなしました。つまり全体の状況を把握し、見通しをもって行動したという事になります。

一方でソーンダイクは「動物は、人間のように仲間を模倣しない」とし「偶然の成功を伴う試行錯誤」が、動物の学習であると説きました。

3:ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」を、ブルーナーがさらに発展させたのが「スキャフォールディング」で「足場づくり理論」とも言われています。

4:ユングは「リビドー」という心のエネルギーが内側に向かいやすいか外側に向かいやすいかで、性格の多面性が強調されるという分析をしました。

一方人がどこに文化的価値を置いているか「6つの類型」で分析したのがシュプランガーがです。

5:正答
スキナーは、「オペラント条件付け」で、報酬刺激と嫌悪刺激をくり返すことで、刺激に対し自発的な行動を行うよう学習していく事を実験を通して明らかにしました。

1
1:誤り
バンデューラが提唱した社会的学習理論は、「模倣による学習よりも意図的学習を重視している」のではなく、「模倣による学習によっても新しい行動を獲得できる」という理論です。
社会的学習理論によるボボ人形についての記述は正しいです。(人間がボボ人形に暴力を働いている映像を見た子供は、人間がボボ人形に愛情をもって接している様子を見た子供よりも、ボボ人形に対して攻撃的になることを明らかにした。)

2:誤り
ケーラーは、チンパンジーの行動を観察し、問題解決過程を研究しました。その研究により、「その場の手段と目標の関係が洞察されているのではなく、過去の偶然の成功により試行錯誤的になされることを示している」のではなく「試行錯誤による学習ではなく、場所全体を見わたして解決を把握するという洞察の重要性」を説きました。

3:誤り
ブルーナーは「発達の最近接領域」ではなく「スキャフォールディング」を提唱しました。スキャフォールディングは、ヴィゴツキーの「発達の最近接領域」という考え方を基盤として、文化的発達は大人と子供が共同で行う精神間機能から、子供が一人で行う精神内機能へと進むという考え方を教授や学習と発達に当てはめた概念です。

4:誤り
ユングは、意識と無意識、内向性と外向性など、対立する要素をもち合わせる性格の多面性が強調される分析心理学の理論を構築しました。また、人の心には意識的な在り方の偏りを正して、心の全体性を実現しようという働きがあると考え、それを個性化の過程と呼びました。
しかし、生活様式により、理論型、経済型、審美型、権力型、宗教型、社会型の六つの類型に分けられているということを提唱したのは「ユング」ではなく「シュプランガー」です。

5:正しい
スキナーは、周囲の環境条件が生物の行動を決定するという考えに基づく「オペラント条件付け」の組織的な研究を行いました。
そこから発展させて一定の学習目標に到達させるために、学習を細かく段階別に分けて行い、そのステップの解答、訂正を即時行うことによって学習事項を理解されるように作られた「プログラム学習」を提唱しました。合わせて覚えておくと良いと思います。

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