問題
ア 道徳教育の目標は、児童・生徒の道徳性を養うことであるという根本を明確にした上で、その育成に当たり、特に留意すべき具体的な事項を併せて示すようにする。また、小学校、中学校のそれぞれの発達の段階に即した重点の示し方についても工夫することと提言されており、小学校学習指導要領では、総則の「指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項」に、各学年段階において留意する事項が示された。
イ 内容を示す上で設けられている視点は、それぞれの視点の範囲内で指導しなければならないことから、視点の意義を明確にするとともに、その順序等を適切なものに見直すことと提言されており、小学校学習指導要領では、「A 主として自分自身に関すること」、「B 主として人との関わりに関すること」、「C 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること」の三つの視点とした。
ウ 「特別の教科 道徳」の内容項目は、いじめの問題への対応をはじめ、児童・生徒の発達の段階や実態、児童・生徒を取り巻く環境の変化などに照らし必要な改善を行うとともに、キーワードなども活用しつつ、より体系的で効果的な示し方を工夫することと提言されており、小学校学習指導要領では、それぞれの内容項目の手がかりとなる「善悪の判断、自律、自由と責任」、「正直、誠実」、「節度、節制」などのキーワードが示された。
エ 道徳教育の評価に関して、児童・生徒の道徳性の評価については、多面的、継続的に把握し、総合的に評価していく必要があること。さらに、「特別の教科 道徳」について、数値などによる評価を行うことが適切であると提言されており、小学校学習指導要領では、「児童の学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努める必要がある。なお、評価は、数値により行うものとする。」と示された。