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公立学校教員の過去問 令和元年度(令和2年度採用) 共通問題 問1

問題

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日本国憲法に関する記述として、憲法及び判例等に照らして最も適切なものは、次の1〜5のうちではどれか。
   1 .
憲法が保障する基本的人権は、日本国民を対象としており、我が国に在留する外国人に対しては保障されないと解されているため、教育を受ける権利も、我が国に在留する外国人に対しては認められない。
   2 .
憲法が国及びその機関に対して禁止している宗教的活動とは、当該行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為と解されているため、学校の歴史学習の一環であっても、寺社を訪問することは認められない。
   3 .
表現の自由は、児童・生徒にも当然保障されるものであって、教育の目的に鑑み最大限に尊重されるべきであり、公共の福祉によって制約を受けるものではないため、学校が児童・生徒の校内での表現行為を制約することは認められない。
   4 .
国民は、その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有するのであって、身体に障害を有する生徒の高等学校への受け入れに関して、身体に障害を有するという理由だけで不合格の判断をすることは認められない。
   5 .
義務教育の無償とは、国が義務教育を提供する際、保護者に対し子女の普通教育の対価を徴収しないこと及び全ての学用品を無償で給付することを意味するものであって、学校が保護者から学用品費を徴収することは認められない。
( 公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和元年度(R2年度採用) 共通問題 問1 )
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この過去問の解説 (3件)

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正答は4です。

1:1978年10月4日の最高裁判決により、「日本国憲法第3章の基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民を対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶと解される」と示されました(マクリーン事件)。
日本に在留している外国人にも教育を受ける権利は認められているため、1は誤りです。

2:日本国憲法第20条には、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と規定されています。
また、教育基本法第15条には、「宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない。国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない」と規定されています。
特定の宗教を勧めたりするような教育を行うことは禁止されていますが、歴史学習の一環として宗教に関する一般的な教養を教えることは、教育上尊重されているため、2は誤りです。

3:日本国憲法第21条には、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と規定されています。
しかしながら、これはすべての言動に対する表現の自由を保障しているものではありません。そのことを憲法では、「公共の福祉」という言葉を用いて表しました。
同法第12条には、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」と規定されています。
また、同法第13条の後段にも、「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定されています。「公共の福祉」とは、「社会全体の共通の利益」のことを指しています。つまり、社会全体の共通の利益(簡易的に言うと、他人に迷惑をかけない、傷つけないということ)を差し置いて、「表現の自由」を行使することは憲法上認められていないということです。
学校において児童生徒が不適切な表現行為をしていた場合、学校側は「公共の福祉」によって一定の制限をかけることが認められているため、3は誤りです。

4:日本国憲法第26条及び教育基本法第4条に、そのように規定されているため、4は正解です。

5:日本国憲法第26条には、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」と規定されています。
また、教育基本法第4条には、「国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う。国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない」と規定されています。これらの法律からは、「授業料は徴収しない」ということが明示されていますが、それ以外の学用品の費用については明記されていません。
しかしながら、昭和22年3月14日に開催された衆議院教育基本法案委員会の国会答弁にて、「各国の立法例等も十分研究いたしましたが、わが国の財政上の都合、その他を考慮いたしまして、今日においては授業料を徴収しないことを、憲法の『無償とする』という内容にいたしたいということにいたしまして、ここにそれらを明らかにした次第でございます」と述べられているため、義務教育の無償とは授業料を徴収しないことであり、その他の学用品には適用されません。
ちなみに、教科書は義務教育で無償となっていますが、これは日本国憲法によるものではなく、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」によって規定されているものです。
よって、5は誤りです。

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1. 日本国憲法26条第1項は、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」と教育を受ける権利を定めています。マクリーン事件判決(昭和53年10月4日)では最高裁にて、「日本国憲法第3章の基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民を対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶと解される」と示されました。

日本は、日本人、外国人問わず全ての人の教育を受ける権利を保障した社会権規約や、子どもの権利条約などの条約を批准しており、教育を受ける権利が外国人にも等しく及ぶとされます。よって、選択肢の記述は誤りとなります。

2. 日本国憲法第20条は、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」と規定しています。また、教育基本法第15条第2項では「国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない」と規定しています。

一方で、第1項は「宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない」と規定しており、学校の歴史学習の一環として、寺社を訪問することは認められています。よって、選択肢の記述は誤りとなります。

3. 表現の自由とは、「個人の持つ見解を検閲されたり規制されることもなく外部へ表明する権利」のことを言い、憲法第21条で保障されています。

しかしながら、表現の自由は無制限に保障される権利ではなく、憲法第12条の「公共の福祉」による制約を受けることがあります。学校においても同様のため、選択肢の記述は誤りとなります。

4. 教育基本法第4条第1項と2項は、「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」、「国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない」と規定しており、障害の有無による差別的取扱いを禁止しています。よって、選択肢4は正答となります。

5. 教育基本法第5条第4項は「国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない」と規定しています。一方で、学用品については、昭和22年3月14日に開催された衆議院教育基本法案委員会の国会答弁にて、「各国の立法例等も十分研究いたしましたが、わが国の財政上の都合、その他を考慮いたしまして、今日においては授業料を徴収しないことを、憲法の『無償とする』という内容にいたしたいということにいたしまして、ここにそれらを明らかにした次第でございます」と述べられており、学用品を無償で給付することを意味するものではありません。

よって、正答は4となります。

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正答は4です。

1:1978年10月4日の最高裁判所の判決で、「日本国憲法第3章の基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民を対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶと解される」と言及されました(マクリーン事件)。
日本に在留している外国人にも教育を受ける権利は認められますので、1は誤りです。

※最高裁判所は上記のように述べたものの、「外国人に対する憲法の基本的人権の保障は外国人在留制度の枠内で与えられているに過ぎない。」とも述べており、日本国民と同程度の権利が認められるわけではないことも視野に入れる必要があります。

2:問題文について、日本国憲法と教育基本法にそれぞれ以下のような言及があります。

①日本国憲法第20条「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」

②教育基本法第15条「宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない。国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない」

上記によると、特定の宗教への勧誘としての教育は禁止されています。
しかしながら、宗教に関する一般的な教養を教えることは教育上尊重されており寺社への訪問は可能ですので、2は誤りです。

3:日本国憲法第21条に「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と定めていますが、すべての言動に対する表現の自由を保障しているわけではありません。

同法第12条の「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」
同法第13条後段の「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
の「公共の福祉」に反しているかどうかが重要です。
「公共の福祉」とは、「社会全体の共通の利益」であり、他人に迷惑をかけたり傷つけたりする場合の「表現の自由」は認められていません。
そのため、児童生徒の不適切な表現行為に対し、学校は制限をかけることが可能ですので、3は誤りです。

4:日本国憲法第26条・教育基本法第4条の内容に合致するため、4は正答です。

5:授業料の徴収について、以下の文言に記載があります。

①日本国憲法第26条「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」
②教育基本法第4条「国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う。国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない」

上記から、各家庭から授業料を徴収しないことが読み取れますが、学用品の費用の徴収の有無は述べられていません。

衆議院教育基本法案委員会の国会答弁(昭和22年3月14日)でも同様のことが述べられています。
「各国の立法例等も十分研究いたしましたが、わが国の財政上の都合、その他を考慮いたしまして、今日においては授業料を徴収しないことを、憲法の『無償とする』という内容にいたしたいということにいたしまして、ここにそれらを明らかにした次第でございます」

義務教育の無償とは授業料を徴収しないという意味であり、その他の学用品の費用は含まれませんので、5は誤りです。

※教科書は義務教育においては無償で配布されますが、これは日本国憲法ではなく、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」に則っているためです。

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