マンション管理士の過去問 平成28年度(2016年) 問13
この過去問の解説 (3件)
1.債務者の委託なしに保証契約を結ぶことは可能です。また保証契約は、書面で作成するか電磁的記録によってなされなければ、その効力を生じませんが、AとCは保証契約を書面で結んでいます。
そのため、Aの委託がないことを理由に保証契約を取り消すことはできません。
2.主たる債務者に弁済する資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときには、債権者は、まず主たる債権者の財産について執行した後でなければ、保証債務の履行を請求することができません。これを検索の抗弁権といいます。
ただし、Cは連帯保証人であり、検索の抗弁権は認められていません。
したがって、CはAに弁済する資力があり、かつ、Aの財産に対する執行が容易であることを証明することによって、Bの請求を拒むことはできません。
よって、この設問は誤りです。
3.主たる債務者に対する履行の請求その他事由による時効の中断は、保証人に対してもその効力を生じます。
4.保証人が保証債務を履行したときには、主たる債務者に対してお金を返してもらうように請求することができます。この請求のことを求償といいます。したがって、CがAに代わってBに弁済したときは、Aに対して求償権を取得します。
2:× 連帯保証人に検索の抗弁権(主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明することによって保証債務の履行を拒むことができる権利)はありません。よってこの選択肢は誤りです。
3:○ 時効の中断は主たる債務者だけでなく保証人に対しても同様に効力を生じます。
4:○ 主たる債務者から委託を受けた保証人が弁済したとき、保証人は主たる債務者を取得することになります。
民法に関する基本的な出題です。
民法446条2項により、「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。」とされ、同条3項により、「保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。」とされます。
つまり、保証債務は債権者と保証人となるべき者との間の保証契約により成立するものであり、主たる債務とは別個独立した債務であるので、「Aの委託を受けないで本件保証契約を結んだCは、Aの委託がないことを理由に本件保証契約を取り消すことはできない。」ということは、正しいです。
民法452条により、「債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。」とされ、同法453条により、「債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。」とされ、同法454条により、「保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。」とされます。
つまり、「Bが本件保証契約に基づいて債務の履行をCに対して請求した場合に、Cは、Aに弁済をする資力があり、かつ、Aの財産に対する執行が容易であることを証明することによって、Bの請求を拒むことができる。」ということでないので、誤りになります。
民法457条1項により、「主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。」とされるので、正しいです。
民法459条1項により、「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(債務の消滅行為という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。」とされるので、正しいです。
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