マンション管理士の過去問 平成28年度（2016年） 問34

正答は　4　です。　

1．
（借方）現金預金が9万円入金されていますので、「現金預金」という資産の増加9万円を計上します。

（貸方）発生主義の原則により、4月分と5月分の管理費はまだ発生していないので、「管理費収入」として計上することができません。
そのため、「前受金」という負債の増加6万円（2か月分の管理費相当）を計上します。

3月分の管理費は「管理費収入」として計上できますので、「管理費収入」という収入の発生3万円を計上します。

2．
（借方）修繕工事は8月に完了予定なので、「修繕費」として計上することはできません。
そのため、「前払金」という資産の増加30万円を計上します。

（貸方）30万を現金預金で支払っているので、「現金預金」という資産の減少30万円を計上します。

3．
（借方）当期にあたる1年分の掛捨保険料8万円を、「支払保険料」という支出の発生として計上します。

次期にあたる2年分の掛捨保険料16万円は、「前払金」という資産の増加として計上します。

満期返戻金は資産の増加にあたり、「積立保険料」として6万円を計上します。

（貸方）30万を現金預金で支払っているので、「現金預金」という資産の減少30万円を計上します。

4．
26年度の仕分けでは以下のような作業を行ったことになります。

（借方）「未収金」という資産の増加として10万円を計上します。
（貸方）「管理費収入」という収入の発生として10万円を計上します。

今年度はそのうち、8万円が入金されたとなっているので、
（借方）現金預金が8万円入金されていますので、「現金預金」という資産の増加8万円を計上します。

（貸方）入金により計上済みの未収金が減少するので、「未収金」という資産の減少8万円を計上します。

（借方） 　　（貸方）
現金預金　80,000　未収金　80,000

よって、この設問は不適切です。

【正解】４
不適切な選択肢を選ぶ問題です。

１：○
発生主義により、管理費はその月ごとの収入として計上します。当該の月より前に支払いがあった場合は「前受金」として処理します。

２：○
発生主義により、修繕工事の工事費は工事完了時に支出として計上することになるため「前払金」として処理します。工事完了時に支払う予定の金額については計上する必要はありません。

３：○
掛け捨て部分の支払保険料について、当期分は支出として、来期以降の分は前払い金として計上します。満期返戻金は積立保険料として借方に計上します

４：×
発生主義により、まだ入金されていない金額は計上する必要はありません。

　会計に関する出題です。