マンション管理士の過去問 令和2年度(2020年) 問14
この過去問の解説 (3件)
正答は 2 です。
1 個人根保証契約は、極度額を定めなければその効力を生じません。ただし、この規定は令和2年4月1日以降に締結された保証契約に限られますので、本肢の契約は有効であり、正しいです。
2 保証人が法人である場合には、個人根保証契約の規定は適用されないので、誤りです。
3 令和2年4月1日以降に締結された極度額の定めがない個人根保証契約は、その効力を生じないので、正しいです。
4 民法では、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならないとされているので、正しいです。
2.が答えになります。
≪詳細解説≫
前提として、誤りを選ぶ問題では、明らかな誤りがある設問を見つけられるかが重要です。
1.正
民法465条の2第2項では、「個人根保証契約は、極度額を定めなければ、その効力を生じない。」とあり、誤りのように見えますが、この条文については、民法の大改正のあった令和2年4月1日施行以降の契約が対象です。設問では、「保証契約が令和元年5月1日に締結」とあるため、改正法の対象外になります。試験委員がたまに出題する時事問題の一種ですので、こんな設問があったくらいで良いです。
2.誤
設問中、「法人である」という部分が誤りです。
民法465条の2第1項では、「一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であって保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。」となります。明らかな誤りですので、この設問から答えを導いてください。
3.正
1.の設問との対比です。「保証契約が令和2年5月1日に締結」とあるので、改正民法465条の2第2項が適用されます。
4.正
民法458条の2によると、「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。」とされます。
Aが所有する甲マンションの301号室をBに賃貸し、CがBの代わりにAに対して賃借人の債務について保証契約を締結した場合に関する記述の中で、民法の規定に基づいて誤っているものを特定する問題です。
正しい
解説:令和2年4月1日以降に締結された個人根保証契約では、極度額を定めなければその効力を生じないとされています。
しかし、令和元年5月1日に締結された場合は、この規定は適用されないため、保証契約は有効です。
誤り
解説:保証人が法人である場合、個人根保証契約の規定は適用されないため、極度額の定めがなくても保証契約は有効です。
正しい
解説:令和2年4月1日以降に締結された個人根保証契約では、極度額を定めなければその効力を生じないとされています。
正しい
解説:民法において、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合、保証人の請求があったとき、債権者は保証人に対して主たる債務に関する情報を遅滞なく提供しなければならないとされています。
この問題では、民法の改正に関する知識が必要です。
特に、令和2年5月1日以降の民法改正における保証契約の規定を理解しているかを確認する問題となっています。
選択肢を確認する際には、改正前と改正後の規定の違いを正確に理解し、それに基づいて各選択肢の正誤を判断する必要があります。
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