マンション管理士の過去問 令和2年度(2020年) 問17
この過去問の解説 (3件)
正答は 1 です。
1 居住建物はAとBとの共有であることから、Bは配偶者居住権を取得するので誤りです。なお、被相続人が相続開始時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合、Bは配偶者居住権を取得しません。
2 配偶者居住権の取得取得要件として、遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたときか、配偶者居住権が遺贈の目的とされたときが挙げられます。したがって、Bは配偶者居住権を取得せず、正しいです。
3 配偶者居住権の配偶者は、内縁の配偶者は含まないので、正しいです。
4 配偶者居住権を取得要件は選択肢2の解説の通りですが、経過措置として、令和2年4月1日前にされた配偶者居住権の遺贈は無効とされています。よって、配偶者居住権を遺産分割によってBが取得しない限り、配偶者居住権を取得しないので、正しいです。
1.が答えになります。
≪詳細解説≫
配偶者居住権からの出題です。令和2年4月1日施行の改正民法により、新たに加わりました。時事問題的な出題ですので、今後の試験にどの程度出題されるかという問題になりますので、概略を把握する程度で良いかと思います。
1.誤
民法1028条1項により、「被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき、又は配偶者居住権が遺贈の目的とされたときのいずれかに該当するときは、その居住していた建物の全部について無償で使用及び収益をする権利(配偶者居住権)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。」となりますので、設問では配偶者との共有の場合ですので、配偶者居住権は取得できます。
2.正
民法1028条1項より、配偶者居住権は、(1)遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき、(2)配偶者居住権が遺贈の目的とされたときのいずれかに該当するときとなりますので、設問では、いずれにも該当しないため、配偶者居住権は取得しません。
3.正
民法上の「配偶者」は、法律上の婚姻関係にある夫婦の一方をさすため、内縁配偶者は含みません。
4.正
令和2年4月1日施行日より前にされた遺言では、配偶者居住権を設定することはできません。
この問題は、甲マンションの102号室に同居しているAとBに関するシナリオを元に、民法の規定に基づいて、配偶者居住権の取得に関する記述の正誤を問うものです。
Aが死亡した後のBの配偶者居住権の取得に関する条件や状況を4つの選択肢で示しています。
誤り
解説:民法において、不動産が夫婦の共有である場合、配偶者居住権を設定することはできません。
しかし、この選択肢の記述は、共有の不動産においても配偶者居住権を設定できないとしています。
この点が誤りであり、共有の不動産に対して配偶者居住権を遺贈することは可能です。
正しい
解説:民法では、配偶者居住権は遺産分割によって取得されるものではなく、遺贈または死因贈与によって取得されるものです。
したがって、遺産分割によってBが配偶者居住権を取得することはないという記述は正確です。
正しい
解説:民法において、内縁の関係にある者は、法的な配偶者とは認められていません。
したがって、BがAの内縁の配偶者であった場合、Bは配偶者居住権を取得することはできないという記述は正確です。
正しい
解説:民法において、配偶者居住権は遺産分割によって取得されるものではなく、遺贈または死因贈与によって取得されるものです。
したがって、遺産分割によってBが配偶者居住権を取得することはないという記述は正確です。
この問題を解く際のポイントは、民法における配偶者居住権の取得条件や状況を正確に理解することです。
具体的には、配偶者居住権がどのような方法で取得されるのか、どのような条件下で取得できるのか、また取得できないのかを把握する必要があります。
選択肢を一つずつ検討し、それぞれの記述が民法の規定や判例に基づいて正しいかどうかを判断することで、正確な答えを導き出すことができます。
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