正解は 3 です
心胸郭比とは、心胸比とも呼ばれ、胸部レントゲンを撮影した際に、胸郭内の大きさに対し、心臓の幅がどれぐらいの割合を占めるかを%で示した値です。
計算方法は
心臓最大横径(cm)÷ 胸郭最大横径×100
で、通常の成人では59%以内(仰臥位で撮影した場合は60%以下)ですが、この値が大きくなればなるほど、疾病による心拡大の程度が進行しているとみなします。
悪化する可能性のある疾患は、弁膜症、心筋症、心筋梗塞、高血圧、心房細動、心不全などです。
また、透析患者のドライウェイト(体内に余剰な水分のない適正な状態での体重)を算出する際にも利用されます。
この写真の場合、数値が表示されていないため、計算にて心胸郭比を求めることはできませんが、基準値と比較した大小を判断することは可能です。
1:×
成人の正常値が50%ですので、明らかに心胸郭比が小さい(49%以下)とはいえません。よって、誤りです。
2:×
右肺に比べ多少左肺は小さいといえども、左の肺尖部分がほとんど心臓の影に隠れている状態のため、明らかに正常(50%以内)とは言えません。
よって、この選択肢も誤りです。
3:○
選択肢2の解説でも述べた通り、左肺の心臓に隠れている部分が多すぎますので、大きい(50%以上)のは確実と言えます。
万一、基準値の大きくなる仰臥位で撮影したとしても大きいでしょう。
4:×
画像は確かに見えにくくはありますが、肺と心臓の境目は判断できるため、測定できないということはありません。