看護師の過去問 第104回 午前 問30

４が正解です。
乳がんは外側の上の方にできやすく、腫瘤に痛みがないことがほとんどです。ステージによって治療方針を決定します。手術の際にはセンチネルリンパ節生検を行い、リンパ節転移の有無を確認し、郭清範囲を決めます。
３のエストロゲン補充療法は更年期症状に用いられるものです。乳がんの患者さんには再発のリスクを増加するため、行いません。

正解は　4　です

1：×
乳房を正面から見た状態で、乳頭を中心に十字で区切った場合、最も発生率が高いのは外側上部(一番腋窩に近い部分)です。

2：×
乳癌で発生したしこりは、セルフチェック時に発見し、押してみたとしても痛みがなく、仮にあったとしても軽度の痛みであることが特徴です。

3：×
エストロゲンは女性ホルモンの一種ですが、乳癌を発症した人は通常よりも体内のエストロゲン濃度が高いこと、また閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)補充療法は乳癌の発生リスクが高くなることが報告されています。
よって、この選択肢は逆効果です。

4：○
センチネルリンパ節生検とは、「センチネル（sentinel）＝見張り」という直訳の通り、原発巣のがん細胞が転移する際に最初に到達するリンパ節のことを指します。

がん細胞がリンパの流れに沿って全身をめぐり、到着した先の臓器で増殖することを転移とするため、一番近い場所のリンパ節にがん細胞が存在していなければ、他の臓器にもまだ転移はしていないと判断されるため、この検査を行うことで、どの部分のリンパ節まで摘出(「郭清：かくせい」とも呼びます)するかを決める判断材料とします。

乳がんの基礎知識：一般の方へ-国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/print.html

乳がんは左右の乳房の外側上部での発生が全体の5割を占めています。また、乳がんの主訴としてしこり（腫瘤）がありますが、ほとんどの場合無痛性であるといわれています。
乳がんはエストロゲンによって増殖が促進されるとされており、エストロゲンを下げる治療が必要となります。

4 . センチネルリンパ節生検により郭清する範囲を決める。は正解となります。