包帯法は以下の目的で行われます。
①支持(貼布した薬剤やドレッシング剤などのズレ防止のため)
②圧迫(止血、浮腫や腫脹の消退などのため)
③被覆(ガーゼ保護だけでは不十分な場合、創部からの浸出液が多い場合など
に創傷を覆って保護するため)
④固定
⑤整復・矯正・牽引
包帯法の基本は以下のものがあります。
①抹消から中枢に向かって巻く:静脈血が抹消にうっ滞するのを防止するため
②均一の圧になるように巻く:一部だけに圧がかかるとそこから血流障害が起
こることがあるため
③きつすぎないように巻く:血流障害を起こすため
1.幹部を強く圧迫すると、上記基本の③のように、血流障害を起こす危険性
があります。患部に血流が滞ると、ますます治癒に時間がかかる、もしく
はさらに悪化する可能性もあるため、不適切です。
2.包帯法の目的の④固定は、骨折など患部の治癒のために固定が必要な場合
のみ適用です。患部に直接関係がない、つまり運動制限のない場合は、屈
伸可能な場合は、可動域を確保した状態で動きを妨げないように包帯を巻
く必要があります。
3.上記、包帯法の基本の①を参照してください。
4.包帯には様々な種類や大きさがあります。目的に応じて、または装着部位
に応じて選び使用する必要があります。
①伸縮包帯とは伸縮のある包帯のことで、一般的に使用される包帯の一つで
す。主に創部の保護に使用されます。
②弾力包帯(弾性包帯)とは、弾力のある包帯で厚みもあることから、固定に
使用されることが多い包帯です。厳密にいうと弾力包帯と弾性包帯は別のも
のですが、施設などによっては二つを分けていないところもあります。
弾性包帯は、主に下肢の静脈の流れを良くすることで、深部静脈血栓症を予
防することを目的として装着する場合も多いです。
③ネット包帯とは、網包帯と呼ばれますが、網状で筒状のガーゼや保護材の固
定・保護のために使用されます。