縦郭とは、前は胸骨、後ろは胸椎、側方は左右の肺で囲まれた部位です。
この部分には、胸腺、心臓、胸管、期間、気管支、食道、大動脈、大静脈などの重要な臓器があり、場所はちょうど左右の肺を隔てる位置にあります。
例えば、縦郭に発生した腫瘍が増大すると、これらの器官が圧迫され、そのことで様々な症状が出現します。
1.肺を隔てる位置に存在しているだけで、肺そのものは縦郭には存在しませ
ん。
2.胸腺は、縦郭内の胸骨と心臓の間に心臓に乗るように存在しています。
骨髄で産生されるリンパ球を、T細胞に育成するための、いわば教育セン
ターで、思春期には最大約30gありますが、以後退化し、60歳を過ぎると
10g以下となります。
T細胞のTは胸腺(Thymus)の頭文字Tをとったものだそうです。
3.副腎は、腎臓の上端に位置する重さ約8gの扁平な内分泌腺です。
副腎は、中央部の髄質と周辺部の約80%を占める皮質とに区別されます
が、両者は発生的にも機能的にも全く異質のものです。
4.甲状腺とは、喉頭から気管上部の間の前側にある、蝶の形をした重さ約
20gの内分泌腺です。