膵液とは、膵臓から分泌されるものです。
膵臓は、胃の裏側で腹膜の作る網嚢を隔てて腹膜の後ろに位置し、長さ約15㎝の細長い金槌型をした約70gの臓器です。強力な消化酵素を含む膵液(弱アルカリ性)を十二指腸に1日約1ℓ分泌(外分泌)します。
また、膵臓内に存在するランゲルハンス島からは、血液中のブドウ糖(血糖)を調節するホルモンである、インスリンとグルカゴンを血液中に分泌(内分泌)します。
膵液は、無色透明な液で、前述した通り、弱アルカリ性です。三大栄養素(タンパク質、脂肪、炭水化物)の消化酵素を全て含んでおり、タンパク質分解酵素トリプシノーゲン、脂肪分解酵素リパーゼ、炭水化物分解酵素アミラーゼなどがあります。
1.上記記述の通り、弱アルカリ性です。
膵液には重炭酸ナトリウム(NaHCO₃)が含まれ、胃から送られてきた酸
性の糜粥(びじゅく)を中和し、十二指腸ではpHを約6、空腸ではほとん
ど中性にします。これによって、膵液や腸液の消化酵素の至適pHになりま
す。この中和は、消化作用にとって不可欠な作用です。
2.糖質とは、つまり炭水化物のことを指します。
炭水化物にはでんぷんが含まれます。でんぷんとは、ブドウ糖がたくさん
集まったもので、つまり糖質です。炭水化物消化酵素である、アミラーゼ
を膵液は含んでいます。
3.セクレチンは消化管ホルモンの一つです。
膵液の分泌の仕組みは以下の通りです。
①食物を想像したり、見たり、においをかいだり、味わったりなどの刺激が、
副交感神経の迷走神経を介して、胆汁や膵液を反射的に分泌させます。
②胃からの酸性糜粥が腸壁を刺激すると、消化管ホルモンがメッセージを送
り、胆汁の排出や膵液の分泌が起こります。セクレチンは膵液の分泌を促す
ホルモンです。
4.膵液は主に、膵臓の中にある腺房中心細胞というところで大量に生成さ
れ、腺房腔というすき間に分泌されます。腺房腔は次第につながり、主膵
管と合流し、膵頭部で総胆管と合流しファーター乳頭を経て、十二指腸に
分泌されます。
ランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるのは、血糖を下げるホルモンで
あるインスリンです。