クローン病は小腸、大腸を中心とする消化管に炎症を起こし、びらんや、潰瘍を生じる慢性疾患です。
症状は、腹痛、下痢、体重減少、発熱、肛門病変などです。
クローン病における食事療法の基本は、高カロリー・低脂肪食・低残渣食です。
1 . 「食物繊維を多く含む食事にしましょう」
×不正解
食物繊維は腸に負担をかけるので、症状が落ち着いても低残渣食とします。よって、不正解です。
2 . 「蛋白質の多い食事にしましょう」
○正解
蛋白質に対してはn-6系脂肪酸を多く含む肉類は炎症の発現や症状の悪化にも影響してくるので控えめにします。
しかし、魚類に含まれるn-3系の脂肪酸は腸管病変部の炎症を抑える作用があるので、蛋白質の摂取は魚類を中心にする必要があります。
よって正解です。
3 . 「脂肪分の多い食事にしましょう」
×不正解
脂肪分の多い食事は腸管の動きを刺激します。そして、脂肪の消化吸収に必要な胆汁が腸管に刺激を与えます、その結果下痢や腹痛といった症状を引き起こしやすくなります。よって、不正解です。
4 . 「炭水化物を控えましょう」
×不正解
発熱等の症状や、腸管の炎症、潰瘍、びらんの修復のためにかなりのエネルギーが必要になります。よって、食事からだけでは腸に負担がかかりすぎるので、成分栄養剤(ED)や半消化態栄養剤(ラコール)なども併用することが大切となります。よって、不正解です。