看護師の過去問 第110回 午前 問17
この過去問の解説 (3件)
✕ 1.牛乳
一部の抗菌薬は、牛乳と摂取することで薬剤の吸収が低下することで知られています。
✕ 2.納豆
納豆に含まれるビタミンKは、不整脈や血栓症に用いられる抗凝固薬(ワーファリン)の作用を弱めます。
✕ 3.ブロッコリー
ブロッコリーなどの緑黄色野菜にもビタミンKが多く含まれています。抗凝固剤を摂取しているときは、少量に留めることが望ましいです。
◯ 4.グレープフルーツ
高血圧治療薬の一種であるカルシウム拮抗薬をグレープフルーツと併用すると、薬の血中濃度が上昇し、過度に血圧を下げてしまいます。
正解は4です。
カルシウム拮抗薬は狭心症や高血圧症などの循環器の治療において用いられます。
薬の飲み合わせには禁忌(きんき)という概念があります。
特定の内服薬には、一緒に摂取することが望ましくない食べ物や飲み物があります。
1 .牛乳は便秘薬の作用を妨げてしまうことが指摘されています。
2 .納豆に含まれるビタミンKはワルファリン(血液凝固阻止剤)の作用を弱めます。
3 .ブロッコリーにも納豆と同じくビタミンKが含まれており、ワルファリン(血液凝固阻止剤)の作用を弱めます。
4 .グレープフルーツはカルシウム拮抗薬の薬物代謝酵素を阻害するため消化管に長く滞留する結果効果を増強させてしまいます。
正解は4です。
カルシウム拮抗薬とは血管拡張作用を示す作用があります。
主に「高血圧」や「狭心症」に用いられることが多いです。
1.牛乳は抗菌薬においてカルシウムと結合し薬に吸収や作用を低下させます。
消化性潰瘍薬や骨粗鬆症薬では高カルシウム血症などの副作用が現れることがあります。
2.納豆は抗血栓薬(ワーファリン)の作用を弱めてしまいます。
抗血栓薬は肝臓でビタミンK依存性の血液凝固因子を阻害することで抗凝血作用や血栓予防の作用があります。納豆にはビタミンKが多く含まれているため作用を弱めてしまうことになります。
3.ブロッコリーなどの緑黄色野菜もビタミンKが含まれており、多く摂取することで抗凝固薬の作用を弱めてしまうことがあります。
4.グレープフルーツには消化管で薬物の代謝を阻害する成分があるため、薬物の血中濃度が上昇し薬が効きすぎてしまうことがあります。
カルシウム拮抗薬のほかに、高脂血症治療薬や催眠鎮静剤、精神神経薬にも影響があります。
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