問題
〔事 例〕
Cさん(35歳、女性)は18歳で統合失調症を発症、入院を経験しながらも農業大学校卒業後、父が代表の農業法人で果実加工部門を担当している。4年前に農業高校教員と結婚、両親と同居し、1歳6か月の娘がいる。妊娠中から再発や育児と仕事の両立の不安を語っていたが、家族や通院先のD精神保健福祉士の支援のほか、母親教室で再会した高校時代の友人Eさんとの交流にも支えられてきた。
昨年4月父が急死し、その後外来受診が増えた。「育児にも仕事にもほとんど手がつかない」「あまり眠れないし、もう何もかも放り出したい」などと訴えるので、D精神保健福祉士は面接と訪問の回数を増やした。
(※1)
昨年6月、「もう疲れた、休みたい」と任意入院したが、入院中に何度も面会に来てくれたEさんの支えもあり、9月には退院した。
農業法人は、今年4月から夫が代表を務めてくれることになり、Cさんは自分の将来について考えられるようになった。そんな時、病院を退職しソーシャルワーカー事務所を開業していたD精神保健福祉士からCさんとEさんにお茶会の誘いがあった。「子育ての悩みを話そう」というものだったので、二人は喜んで参加した。その場では、D精神保健福祉士も自身の子育てや仕事に関する悩みを打ち明けたので、CさんもEさんも日頃の思いを存分に話すことができた。D精神保健福祉士は、「自分たちと同じように、悩みがあっても相談できない親たちは多いだろう。父親も含めて、親たちが地域で気軽に交流できる緩やかなつながりを作りましょう」と二人に働きかけた。
(※2)
しかし、D精神保健福祉士は準備を続けるうちに、自分の立場が、専門職としての活動なのか当事者としての思いなのか戸惑い、相談したいと考えた。
(※3)
(※2)次のうち、D精神保健福祉士が用いた方法として、正しいものを1つ選びなさい。