問題
〔事例〕
N町のB民生委員より、A地域福祉コーディネーターのところに、近頃、子どもの貧困問題に直面することが多く、全国的にも学習支援や子ども食堂の取組が注目されていることから、N町でも同様の活動を始めたいとの相談があった。
地域福祉コーディネーターは、社会資源の調整や、新たな活動の開発などを行うことが求められています。今回の事例では、B民生委員も含め、地域関係者や教育関係者などによる協議の機会を持ち、対応策について主体的に建設的に検討することが、最も適切な対応といえます。
事例問題については、ある程度、消去法で答えをしぼることが出来ると思います。
厚労省の「これからの地域福祉のありかたに関する研究会報告書」によると
地域福祉コーディネーターは住民の地域福祉活動がうまく進むように住民や様々な関係者とのネットワーク作り資源開発などを行う役割があります。
誤り。地域福祉コーディネーターは学習支援と子ども食堂についての情報を民生委員より入手しましたが機能が違うからとどちらかに絞るようにという対応は誤りです。
まずは情報を集約し適切な専門家等につなぐ、総合的包括的に支援することが求められます。
誤り。社会福祉センターには活動出来るスペースがないが他の場所の検討を始めるなど幅広い視野を持つことも重要です。
誤り。一見すると正解のような気もしますがAコーディネーターの独断で必要を判断し依頼している事が社協のコーディネーターの対応としては誤りです。
誤り。一見すると正解のような気もしますがAコーディネーターの独断で必要を判断し依頼している事が社協のコーディネーターの対応としては誤りです。
正しい。地域福祉コーディネーターの役割は様々な関係者と課題の共有、社会資源や新たな活動の開発を行います。
本事例に関する解説は以下の通りです。
不適切です。
N町において子どもの貧困問題に多く直面しているとB民生委員は感じ、それを解消するための取組として子ども食堂と学習支援の取組を挙げています。
初めからどちらかに絞るような促しをするのではなく、N町においてどのような問題が起きているのかや、地域住民にどのようなニーズがあるかなど調査を行い助言をする事が求められます。
不適切です。
社会福祉センター内にスペースが無かったとしても、それを理由としてそれらの活動を妨げるような言動は好ましくありません。
社会福祉センター内でスペースが取れないのであれば、それに代わる場所を一緒に探すなどの行動が求められます。
不適切です。
子どもの貧困問題が発生しているのであれば、教育委員会のみに担当を任せるべき問題ではなく、地域全体で取り組むべき問題として捉える必要があります。
A地域福祉コーディネーターは教育委員会を含めた地域の社会資源と繋がりを持ちながら、問題解決を図る事が大切になります。
不適切です。
A地域福祉コーディネーターは取組の提案を受けたばかりの段階であり、今後どのようにそれらの活動を進めていくかは未定の状態です。
A地域福祉コーディネーターが現段階でボランティア依頼をかけるのではなく、運営方法等を関係者と協議しながら取組に必要な人材等も決めていく必要があります。
適切です。
N町で子どもの貧困問題に直面しているという現状をそれに関わる関係者と共有し、対応を検討していく事は適切な対応であると言えます。