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精神保健福祉士の過去問 第20回(平成29年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問143

問題

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次の事例を読んで、問題に答えなさい。

〔 事例 〕
Aさん( 40歳、女性 )は、18歳で統合失調症を発症し、入院経験がある。受診は継続し、時々対人緊張が強くなったり幻聴体験はあるが、自分で対応できている。夫が代表の農業法人に勤め、子ども( 7歳 )がいる。
Bさん( 45歳、女性、精神保健福祉士 )は、以前、Aさんの受診先の精神科病院に勤務し、初診時からの担当であった。5年前に退職し精神保健福祉士事務所を開業、スクールソーシャルワーカーとしても勤務している。
Bさんの退職後、AさんとBさんは、それぞれの子育ての悩みを話し合ったことをきっかけに、時々会って話をする関係を続けていた。その後、地域で子育てサークルを始め、今ではメンバーが増え、子どもたち向けの活動も行うようになり、Aさんは会長、Bさんは事務局長として会を運営している。
ある日、勤務している学校で、精神障害のある母親( Cさん )と行動障害があるその子どもへの支援を検討する中で、この子育てサークルの活用が提案された。それを受けてBさんはCさんに、「親子の情報を事前に会のメンバーに知らせ、理解しておいてもらった方がよい」と提案したが、Cさんは、「参加したいが病気や障害のことは知られたくない」と訴えたため、Bさんは、倫理的ジレンマを感じながらもサークルでの支援を進めた。

初回参加時のその子の落ち着かない言動とCさんの子どもへの対応に、会のメンバーからは、「一緒にやっていくのは無理」という声が多く上がった。Bさんは、Cさん親子と会のメンバー両者の利益を視野に入れながら話合いを重ねた。Aさんの体験談もメンバーに大きな影響を与え、最終的にメンバー全員の了承が得られた。

これを契機に、メンバーの福祉課題への関心が高まり、新しい活動を展開するためにNPO法人の設立を模索することになった。ある日の打合わせ後に、Aさんは、「20歳の頃は人生を諦めていた。病気の経験が人の役に立つなんて思っていなかった。病気のことは心配だし、どこかに引け目はあるけれど、家族、友人、仕事があるし、新しい活動が楽しみ」と語った。

次の記述のうち、Aさんが語ったことの意味として、最も適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
これまでの人生で失った機能の回復を追い求める。
   2 .
客観的な基準に基づいて自分を評価する。
   3 .
専門家によって支えられた暮らしを楽しむ。
   4 .
疾病や障害から脱却した人生を送る。
   5 .
自分で自分の人生のストーリーを捉え直す。
( 第20回(平成29年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問143 )
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この過去問の解説 (3件)

25
正答は「5」です。

1. Aさんが語ることで、障害の機能回復をしたわけではないので、誤りです。

2. Aさんは病気に対する自分の思いの変化を語っており、客観的な評価ではなくむしろ自分自身の捉え方なので、誤りです。

3. Aさんは自分の主体的な活動について話しており、専門家に支えられていることに焦点を当てているわけではないので、誤りです。

4. 障害や疾病から脱却するのではなく、障害や疾病と共に自分らしく生きている充実感を語っているので、誤りです。

5. 正解です。Aさんの語りはこれまでの事実や症状が変わったわけではなく、障害や疾病を含めた自分自身の人生についての捉え方がポジティブなものに変わったことを表しています。

付箋メモを残すことが出来ます。
6
正解は5です。

1.Aさんの語りでは、失った機能の回復を追い求めていないため、適切ではありません。

2.Aさんの語りは、客観的な基準に基づいていないため、適切ではありません。

3.Aさんの語りには専門家は登場しないため(身近な家族、友人しか登場していません)、適切ではありません。

4.Aさんの語りには、疾病や障害から脱却するという表現はないため(反対に病気のことは心配で、引け目はあると語っています)、適切ではありません。

5.人生を諦めていたAさんが、病気の経験が人の役のに立ったと思い、新しい活動を送ろうと語っている内容は、自分で自分の人生のストーリーを捉え直しており、最も適切な意味といえます。

4
正解は5になります。
病気により、人生を諦めていたAさんが現在は病気の経験を生かし、人の役に立っていると感じていることで、自分で自分の人生のストーリーを捉え直すことができ、新しい活動を前向きに進めていけるのだと思います。

1 これまでの人生で失った機能の回復を追い求めるという意味には、この事例から読み取ることができないので、不適切です。

2 客観的な基準ではなく、自分自身の思いや基準として人生を諦めていたが、現在は人の役に立っていると感じているので、この選択肢は適切ではありません。

3 専門家によって支えられた暮らしを楽しむというよりは、当事者である自分の経験が人の役に立つことで自信を得ているので、この選択肢は不適切です。

4 疾病や障害から脱却した人生を送るというよりは、自分自身が病気と付き合ってきた経験を認め、それとともに人の役に立てたり、新しい活動を前向きに行おうとしているので、この選択肢は適切ではありません。

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