正答【4】
廃用症候群(生活不活病)は、疾病や外傷による過度の安静や災害時などの避難所などで長い期間身体をあまり動かさないことで、筋肉や関節が萎縮・拘縮します。また心機能の低下や起立性低血圧、血栓などによる塞栓症、誤嚥性肺炎、褥瘡などさまざまな身体症状と精神的な落ち込み、せん妄といった精神症状も現れます。
1.誤答
廃用症候群は、長期間の過度の安静により身体を動かす機会を失うため関節の拘縮は起こりやすくなります。
2.誤答
長期間の安静によって起こる廃用症候群は、関節拘縮のほかに筋の萎縮も起こります。
筋肉は1週間に1割の速度で萎縮していくので、廃用症候群予防のためにも早期からのリハビリが必要です。
3.誤答
高齢者は生理的老化に加えて、疾病によって心身機能の変化が大きく、運動機能低下による廃用症候群が起こりやすくなります。また、疾病やけがなどによる長期の安静を必要とする高齢者は、身体だけでなく精神状態や生活にも大きな影響を与えます。
4.正答
身体を使わないため筋肉の萎縮によって、座った状態から立ち上がると、全身の血管の収縮によって心臓から脳へ十分な血液が送られず、起立性血圧が起こりやすくなります。
5.誤答
廃用症候群は、外傷や治療のために過度に安静にすることによって起こります。
今までの急性期治療では、救命や治療に重きが置かれ、患者さんのADL(日常生活動作)などは、後回しになり症状が安定してからリハビリを開始ししたと適切な時期にリハビリを行うことをしていませんでした。
しかし、この長期間の安静やベッド上の生活は廃用症候群を引き起こしてしまうため、急性期からリハビリを開始することによって廃用症候群の予防を行うことが一般的となっています。