設問文ア.について
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】労働者災害補償保険法第11条1項
【ポイント・考え方】
遺族補償年金は、簡単にいうと、業務上の災害により死亡した労働者に生計を維持されていた親族に支給されるものであり、当該生計を維持されていた者の生活保障の目的があることから、後順位者の遺族は、当該未支給分を請求できると理解しておくとよいでしょう。
これを「自己の名で」行える点もポイントです。
【学習・実務でのワンポイント】
同様の規定は国民年金法における遺族基礎年金、厚生年金保険法における遺族厚生年金にもあるので、遺族の範囲・条件等とあわせて、関連させて整理しておくとよいでしょう。
設問文イ.について
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】労働者災害補償保険法第11条2項
【ポイント・考え方】
設問文ア.と同様の目的から(死亡労働者に生計を維持されていた者の生活保障のため)、後順位者の遺族は、当該未請求の年金を請求できると理解しておくとよいでしょう。
これを「自己の名で」行える点もポイントです。
【学習・実務でのワンポイント】
前設問文ア.のワンポイントと同様です。
設問文ウ.について
【正誤】正しい記述です。
【根拠条文等】労働者災害補償保険法第11条4項
【ポイント・考え方】
保険給付の支給にかかる事務処理の簡易化(同順位者間の按分の手間の排除など)等をねらいとして、このような規定があると理解しておくとよいでしょう。
【学習・実務でのワンポイント】
労災保険法以外の社会保険各法においても、保険給付に関して同様の規定があるので、あわせて理解しておくとよいでしょう。
設問文エ.について
【正誤】誤った記述です。
【根拠条文等】労働者災害補償保険法第43条
【ポイント・考え方】
期間の計算を各法令にてバラバラに規定・適用するのは煩雑であり不公平となる場合も発生しうることから、一般法である民法の規定が適用(準用)されると理解しておくとよいでしょう。
【学習・実務でのワンポイント】
設問文のように、ごく一般的な事項については、同様の規定(上位法・特別法に対する一般法の規定を準用する)がある場合がある点を知っておくとよいでしょう。
設問文オ.について
【正誤】正しい記述とします。
【根拠条文等】労働基準法第9条、労働者災害補償保険法第3条
【ポイント・考え方】
試みの使用期間中であっても、使用される事業が国の直営事業や官公署の事業以外であり(いわゆる民間企業等であり)、使用者の指揮監督下にあり、賃金が支払われる人であれば、業務災害や通勤災害においては、労災保険法が適用されます。
雇用の形態(正社員か否か等)は、労災保険法の適用にあたり基本的に影響しないと理解しておくとよいでしょう。
【学習・実務でのワンポイント】
本設問文は、記載が少なすぎ、正しいと言い切るには条件等の追記が必要だと感じられ、この1文のみを設問文とする出題方法には、筆者は疑問を感じます。