社労士の過去問 第52回(令和2年度) 厚生年金保険法 問57
この過去問の解説 (4件)
設問の場合、資格を喪失した日から起算して1か月を経過した日の属する月から年金の額を改定します。
従って、70歳到達日である令和2年6月30日に資格喪失するので、その日から1か月を経過した日の属する月である令和2年「7月分」から年金の額が改定されます。
2.正
設問のとおりです。
同一の適用事業所に引き続き使用されることにより70歳以上の使用される者の要件に該当するに至ったときであって、その者の標準報酬月額に相当するが70歳以上の使用される者の要件に該当するに至った日の前日における標準報酬月額と同額である場合は、70歳以上被用者該当届及び70歳到達時の被保険者資格喪失届の提出を省略することができます。
3.誤
認可を受けるには、必ず「事業主の同意」を得なければなりません。
4.誤
「直近6か月」を「直近2か月」に直せば正しい記述になります。
5.誤
障害厚生年金の受給権を有したことがあるときは、脱退一時金は支給されません。
厚生年金保険に関しては、企業等に勤務している被保険者の立場にいる人としては、実生活でも身近な部分があるので、当該身近な部分から知識を固めていくとともに、保険者側・事業主側の立場にかかる規定についても、経験と想像から知識を増やすようにしていくことで、机上での学習の他に理解を深められるようにするとよいでしょう。
誤った記述です。
本設問文において、年金額が改定されるのは令和2年「7月」分からになります。
若干引っかけ要素がある問題だと判断します。
7月1日生まれの人が70歳に到達する日(=資格を喪失する日)は前日の6月30日となるため、簡単に言うと、資格喪失の翌月は7月となるので、7月分から年金の額が改定されます。
正しい記述です。
本設問文のように、70歳到達後に引き続き使用される場合で、70歳到達前後で標準報酬月額が同額である場合は、事務処理の手間を省略するねらいのため、このような規定があるものと理解しておくとよいでしょう。
条件としては少ない(70歳になっても同じ事業主で勤務すること、その際の報酬が変わらないこと)ことが考えられるので、学習の優先度は下げてもよいと筆者は考えています。
誤った記述です。
本設問文の場合、事業主の同意が得られなかった場合は、厚生労働大臣の認可がおりないので、保険料を該当者が全額自己負担するとしても、申請することができる旨の規定はありません。
また、実生活においては、適用事業所以外の事業所は、そもそも使用する社員にかかる厚生年金保険関連の事務処理を普段から行っていないため、単独で加入しようとする人にとっては、当該事業主との調整がまず必要となるので、場面としては少ないと考えられ、学習の優先度は下げてもよいと筆者は考えています。
誤った記述です。
本設問文の場合、直近「6か月」は、直近「2か月」が正しいです。
知識問題レベルと判断します。
なお、短時間労働者の適用に関しては、今後とも緩和の方向(被保険者を増やす方向)で改定されることが考えられるので、今後とも法律改正情報には留意しておくとよいでしょう。
誤った記述です。
本設問文の場合は、脱退一時金の支給を受けることができません。
国民皆年金を基本としているため、「脱退」を事由とする給付については、あくまで臨時の措置として日本国籍を有しない人その他の厳しめの条件が定められている点、保険料を納付しておきながら何らの受給権も得られず、保険料の掛け捨てになってしまう点を回避するために定められている点を理解しておくとよいでしょう。
正解:2
1:「令和2年8月分から」ではなく「令和2年7月分から」年金の額が改定されます(厚生年金保険法第43条第3項)。
被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなく被保険者の資格を喪失した日から起算して一月を経過したとき、年金の額が改定されます。設問の被保険者の70歳到達日は令和2年6月30日で、この日に資格喪失するので、その日から1か月を経過した日の属する月は、令和2年7月で、「令和2年7月分から」年金の額が改定されます。
2:設問の通りです(厚生年金保険法施行規則第15条の2)。
同一の適用事業所に引き続き使用されることにより70歳以上の使用される者の要件に該当するに至ったときであって、その者の標準報酬月額に相当するが70歳以上の使用される者の要件に該当するに至った日の前日における標準報酬月額と同額である場合に限り、70歳以上被用者該当届及び70歳到達時の被保険者資格喪失届の提出を省略することができます。
3:「事業主の同意」を得なければ任意単独被保険者となることはできません。(厚生年金保険法第10条第2項)
なお、設問の認可は厚生労働大臣から得ます。
4:「直近6か月」ではなく「直近2か月」です(短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大に係る事務の取扱いについて(平成28年5月13日保保発0513第1号・年管管発0513第1号)第2・1)。
5:保険給付の受給権を有したことがある場合、脱退一時金の請求はできません(厚生年金保険法第29条第1項第2号)。
また、現に日本国内に住所を有するときや最後に国民年金の被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあつては、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなつた日)から起算して二年を経過しているときも脱退一時金の請求はできません(同項第1号、第3号)。
以上より正しい選択肢は2で、これが正解となります。
1.「8月」ではなく「7月」からなので誤りです。
資格を喪失した日から起算して1か月を経過した日の属する月から年金の額が改定されます。
2.設問のとおり正しいです。
事業主は、被保険者が70歳に到達し、引き続き当該事業所に使用されることにより70歳以上の使用される者の要件(厚生年金保険法施行規則第10条の4の要件をいう。)に該当する場合であって、当該者の標準報酬月額に相当する額が70歳到達日の前日における標準報酬月額と同額である場合は、70歳以上被用者該当届及び70歳到達時の被保険者資格喪失届を省略することができます。
3.任意単独被保険者認可となるには、必ず「事業主の同意」を得なければならないので、誤りです。
4.「直近6か月」ではなく「直近2か月」なので誤りです。
5.障害厚生年金の受給権を有したことがあるときは、脱退一時金は支給されないので誤りです。
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